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おいしいナス 煮る、炒める、揚げる それぞれの栄養の違いは? 専門家に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
淡泊な味わいから、さまざまな料理に合うナス。煮たり、炒めたり、調理法も多種多様ですが、栄養価の違いはあるのでしょうか。猛烈な暑さのピークは過ぎたものの、夏の疲れが出てくる時期、旬のナスをおいしくいただきたいですよね。栄養士の和漢歩実さんに、調理の違いによる栄養、おすすめの料理、切り方のコツなどを伺いました。
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調理法で比べる ナスの栄養価
和食や中華、洋食など、どんな料理にも合うナス。ナスの紫色の皮の部分には、必要時に体内でビタミンAに変換されるβカロテンや抗酸化作用が期待できるアントシアニン系のナスニンという成分が多く含まれおり、皮ごといただく方が栄養メリットが高いといえます。
調理方法も、煮たり、炒めたり、揚げたりするなどさまざま。生のナス100グラムをそれぞれの調理法で加熱した場合、栄養価に違いはあるのでしょうか。日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に、生、茹で、油炒め(抜ける水分を考慮して76グラムで計算)、天ぷら(抜ける水分及び衣を考慮して110グラムで計算)で、主な栄養価の違いを見ていきましょう。
○水分
生:93.2グラム
茹で:94.0グラム
油炒め:65.2グラム
天ぷら:79.1グラム
○エネルギー
生:18キロカロリー
茹で:17キロカロリー
油炒め:55キロカロリー
天ぷら:182キロカロリー
ナスは生では水分が多く低カロリーですが、油を吸いやすいこともあり、炒めたり、揚げたりすると、カロリーが高くなります。
βカロテンは適量の油と一緒に摂ると吸収率がアップ
○カリウム
生:220ミリグラム
茹で:180ミリグラム
油炒め:220ミリグラム
天ぷら:220ミリグラム
○食物繊維
生:2.2グラム
茹で:2.1グラム
油炒め:2.0グラム
天ぷら:2.1グラム
○βカロテン
生:100マイクログラム
茹で:98マイクログラム
油炒め:144マイクログラム
天ぷら:121マイクログラム
○葉酸(ビタミンB群)
生:32マイクログラム
茹で:22マイクログラム
油炒め:27マイクログラム
天ぷら:31マイクログラム
注目したいのは、必要時に体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強くし健康を維持するといわれるβカロテン。脂溶性であるため油との相性が良く、吸収率を上げるとされています。また油には、鮮やかな紫色に仕上げ、アク抜きをしなくてもえぐみを和らげる効果もあります。油炒めや天ぷらはおいしいですが、減量を第一に考える場合は、煮る(茹で)などの調理法を取り入れると良いでしょう。