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尾ビレを失った“奇跡のクジラ” 2万キロ近くを移動する姿が米国で撮影され話題に
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地球上でもっとも大きな哺乳類であるクジラ。大きな尾ビレを使って、大海を悠然と泳ぐイメージが強いですよね。ところが、米カリフォルニア州では尾ビレのないクジラが発見されました。ヒレを使わず、器用に長距離を泳ぐクジラの姿に驚きの声が上がっています。
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深刻なけがを負って生きていることが奇跡
発見されたのは、コククジラという長距離を回遊することで知られる種です。国立科学博物館のウェブサイトによると、表皮はフジツボに覆われており、ゴツゴツとした見た目をしているそう。大人になると体長は12~14メートル、重さは16~33トンにも及びます。
カリフォルニア州オレンジ郡のニューポート・ビーチ沖で、そんなコククジラが回遊する姿がドローンによってとらえられました。米地元テレビ局「ABC7ニュース」などが報じています。そのクジラは、エサ場であるアラスカから、繁殖地とされるメキシコまで往復約1万2000マイル(約1万9200キロ)の大移動中。ところが、よく見ると尾ビレがありません。
クジラの尾ビレは移動や方向転換、体温調整でも重要な役目を担っているそう。健康体のクジラは時速4マイル(6.4キロ)程度で移動するのに対し、この尾ビレを失ったクジラは時速3マイル(4.8キロ)ほどの速度でした。
専門家によると、このけがは数年が経過しており、漁業機械に巻き込まれた可能性が高いようです。クジラのけがは深刻で、低体重ですがこうして生きていることは信じられないことだと語っています。
尾ビレのないクジラをドローンで撮影したのは、ホエールウォッチングなどのツアーを催行している地元ツアー会社の「ニューポート・コースタル・アドベンチャー」でした。「明らかに独特な泳ぎ方をしていました。尾ビレがない分、ほかでそれを補完しなくてはいけませんからね」と、同社オーナーのライアン・ロウラーさんは証言。頭部後ろのヒレのみで泳いでいたそうです。
同局が公式ツイッターアカウントでこの映像を公開したところ反響を呼び、リプライ(返信)には「つらすぎる」「泳ぐのは大変に違いない」「なんてかわいそうなの」などの声が寄せられています。実は、2018年にも同じエリアで尾ビレのないクジラが目撃されましたが、同じクジラかは不明だそう。また、過去にも尾ビレのないクジラが何度か目撃されているそうです。
(Hint-Pot編集部)