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おからと卯の花は何が違う? 女性にうれしい成分も 4月8日は「おからの日」
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教えてくれた人:和漢 歩実
おからというと、栄養たっぷりでヘルシーなイメージを持つ人も多いでしょう。「卯の花」と呼ばれることもありますが、違いはあるのでしょうか? 4月8日は「おからの日」。記念日にちなみ、いまさら聞けないおからと卯の花の違いやおからの栄養価について、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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おからは「副産物」 卯の花とは?
おからとは、豆腐を作る際に豆乳を絞り取った後に出る大豆の絞りカスのこと。お茶を出した後の葉を「茶がら」と呼ぶように、大豆の「殻(から)」に「お」を付けたものといわれています。
卯の花はウツギの花の別名で、白い見た目が似ていることが由来。また、おからの別名でもあります。
実は卯の花に限らず、おからには地域によってさまざまな別名があります。たとえば「きらず」。これは「包丁で切る必要がない」ことと、「良縁が切れないように」との意味をかけたものです。また、おからの「から」が「空っぽ」を連想させることから縁起が悪いとされ、「炒る」調理法から「入る」に転じ、寄席などの現場ではおからを「大入り」と呼ぶこともあります。
調理前のものをおからと呼び、煮て調理したものを卯の花と呼ぶこともありますが、基本的におからと卯の花は同じです。おからは生のもの以外に乾燥させたパウダー状のものもあり、調理に使いやすく人気です。
栄養たっぷり おからの何がすごい?
おからの原料は、「畑の肉」と呼ばれるほど栄養たっぷりな大豆です。おからは絞りカスといわれますが、たんぱく質をはじめ、現代の人たちに不足しがちな食物繊維やカルシウムなどを豊富に含みます。日々の献立にいかしたい食材ですね。
大豆は、イソフラボンが豊富に含まれている食材として知られています。イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするとされ、女性にとってうれしい成分です。1日に40~50ミリグラムの摂取が望ましいといわれています。ちなみに、おからに含まれるのは100グラムあたりおよそ10.5ミリグラム。おからだけに頼らず、ほかの大豆製品も合わせてとると良いでしょう。
ダイエットの視点では、肉の代用品にすると脂質を減らすことができるとされています。たとえばハンバーグや肉団子、餃子などにおからを用いると良いでしょう。鶏のから揚げを作る際には、片栗粉の代用品としておからパウダーをまぶすと、糖質を減らすことにつながります。
また、和食の定番といえば五目おからです。ビタミンやミネラルが豊富なヒジキやシイタケ、ニンジンなどを加えて炒って煮たものは栄養価がアップしますよ。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾