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お参りの証 「御朱印めぐり」の始め方 寺社でいただくときの手順とは
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新年度を迎え、何か新しいことを始めたくなっている方も多いのではないでしょうか。習い事や趣味、スポーツなど、世の中には多くの目新しいことがありますが、「御朱印」もそのなかのひとつです。年齢や性別に関係なく始められ、お寺や神社にお参りするたびに心が洗われるような気持ちになる「御朱印めぐり」。近年では、大人女子の間でも人気が高まっている御朱印について、「かわいい御朱印めぐり~水の神さま・山の神さま・恋のかみさまにごあいさつ~」(山と渓谷社刊)などの出版物を執筆している三須亜希子さんに解説していただきました。
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起源は鎌倉時代? 御朱印は神社やお寺にお参りした証
新緑が徐々に色濃くなり、町歩きがより楽しくなる春に始めることをおすすめしたい趣味のひとつが御朱印めぐりです。日本各地の寺社で受けることができる御朱印ですが、お参りする際に気になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、御朱印について解説し、誰でも気軽に楽しめる御朱印めぐりについてご紹介します。
そもそも御朱印とは、神社やお寺にお参りしたときに、その証として授けられるものです。神社やお寺の名前、お参りした日付などが墨で書かれ、そこに朱色の印が押されているスタイルが一般的です。
御朱印の起源については諸説ありますが、有力な説は13世紀前半(鎌倉時代)に始まったとされる「六十六部」という霊場めぐりといわれています。「六十六部」は日本全国66か所の霊地にお経を奉納するために巡礼の旅をした人のことで、室町時代から江戸時代にかけて盛んに行われるようになりました。その巡礼の際に、お経を納めた証として筆で文字を書いてもらったことが御朱印の起源なのではないかとされているのですが、その当時、朱色の印はなかったと伝えられています。
ところが、江戸時代の後期になると徐々に霊場めぐりが行われなくなり、参拝すればその証として印をもらうという風習のみが残りました。しかしながら、この頃の印には御朱印という言葉は使われておらず、寺社でもらう印を御朱印と呼ぶようになったのは20世紀の昭和時代に入ってからと一部で伝えられています。長い歴史のなかで、文字だけの期間、印だけの期間があったうえで、現代の御朱印が登場したということになります。
文具店やウェブショップでも購入できる「御朱印帳」 まずはお気に入りの一冊との出会いから
では、御朱印めぐりを始めるには何をどのように準備したらいいのでしょうか。
御朱印をいただくためには、まず御朱印帳が必要。御朱印帳は蛇腹と呼ばれる、紙が折られながら連なっているデザインが一般的です。寺社の境内にある御朱印をいただく場所に行けば手にすることができますし、文具店やウェブショップではデザイン性の高いものを購入することもできます。
もちろん、持っていなくても、御朱印帳のページの大きさ(およそ10センチ×15センチ)くらいの紙に記したものをもらうこともできます。コロナ禍では「すでに御朱印が書かれた紙でお渡しします」というところも増えましたが、紙で受けたものを御朱印帳にまとめますので、まずはお気に入りの一冊に出会いたいものです。