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SNS投稿で個人情報の特定も 子どもの写真はどうするべき? 専門家が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

子どもの写真を投稿する際に注意すべき7つのポイント

 上記のアンケートの結果を受け、ITジャーナリストで成蹊大学客員教授・高橋暁子先生の監修のもと作成されたのが、「SNSの“子ども写真”投稿ガイドライン7つのポイント」です。小林さんからのお話を基に、7つのポイントを紹介しましょう。

1. 個人情報を出しすぎない
 とくに何枚かの写真を公開すると、それらを組み合わせることで個人情報が特定される危険があります。たとえばお子さんの誕生日を祝う写真で、ケーキに名前のプレートがのっていれば名前がわかりますし、ろうそくの本数で年齢がわかってしまう場合も。それに、「今日祝いました」と出ていれば、お子さんの生年月日がわかってしまうでしょう。意図しない形で不特定多数に情報が伝わってしまい、個人情報が特定される恐れがあります。

2. 肌の露出は極力避ける
 子どもの裸の写真は、小児性愛者が収集したり、児童ポルノサイトに転用・悪用されたりしてしまうリスクがあります。赤ちゃんの頃などに、下半身や局部が写っている写真を載せても「こんなに小さい子なら大丈夫だろう」と思われるかもしれませんがNGです。できれば水着も避けましょう。お子さんの肌の露出が多い写真は、極力避けることです。また、SNS側のルールもありますのでそれに従うようにしてください。

個人情報が特定されないように注意を(写真はイメージ)【写真:写真AC】
個人情報が特定されないように注意を(写真はイメージ)【写真:写真AC】

3. 写り込みに注意する
 自宅の外観、電柱の住居表示などから自宅が特定されることがありますし、保育園や幼稚園の送迎バスから通っている園や学校が特定されてしまうことも。待ち伏せ、ストーカー、誘拐被害などのリスクがあります。公園など場所がわかる情報が写り込んだ、自宅の1~2キロ圏内の写真の投稿は避けるようにしましょう。たとえば「今日は運動会」という文章を写真とともにSNS上へ投稿すると、過去に投稿された制服姿の写真から情報を組み合わせて、通っている学校などが特定されることもあります。

4. 本名は出さない
 最近は個性的な名前の子が多く、インターネットで検索すると、その子がピンポイントで特定されるケースもあります。ネット専用のニックネームを用意したり、「娘ちゃん」「息子くん」といった呼び名にしたりするのがおすすめです。

5. 子どもにとって不都合なデジタルタトゥーにならないようにする
 SNS上に一度投稿されたものは将来も残るということを、忘れずにいてください。たとえば、小さな子どものトイレトレーニングもおねしょも、親にとっては愛おしい瞬間ですが、それをSNSにさらしてしまうと子どもにとってデジタルタトゥーになるかもしれません。過去に投稿された恥ずかしい写真がきっかけで、将来いじめにつながったり、親子関係が悪化したりすることも考えられます。思春期を迎えた子どもがこの投稿を見たらどう思うかを想像し、嫌がりそうだと少しでも感じたら、投稿を控えましょう。

6. 一緒に写った人に投稿前に確認する
 他人が写った写真を無許可で投稿し、トラブルになるケースが多くあります。一緒に写った人には事前に許可を取るか、その人の顔をスタンプかモザイクで隠すという配慮が必要です。

7. 公開範囲を検討する
 限定公開のアカウントとオープンアカウントを使い分けるのも良いでしょう。限定公開アカウントは、実際に会ったことのある人、社会的につながりのある人など、よくわかっている人のみとのやりとりに使います。オープンアカウントには「1歳児のママ」といったざっくりとした情報のみで、細かい個人情報を載せないという対策が有効です。カギをかけたアカウント(限定公開アカウント)はプライベート性が高いですが、趣味が同じというだけの人にもフォローを許可するなどしていたら当然リスクがありますし、知らない人が見て不快に思う可能性がある投稿などは、カギをかけていてもしないようにしましょう。

 SNSの投稿で想定外のトラブルが起こることもあります。最低限、上記のポイントに配慮して、SNSと上手に付き合っていきましょう。

(Hint-Pot編集部)