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大好物を前にすると豹変する夫 食べ尽くす癖は治る? 夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

大好物を1人で食べ尽くしてしまう夫。どうすれば改善する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
大好物を1人で食べ尽くしてしまう夫。どうすれば改善する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 離婚原因で多く取り上げられる「性格の不一致」。性格というと、価値観や物事に対する考え方の違いを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ここには「生活習慣の違い」も含まれます。とくに食習慣は家庭によってさまざまなため、結婚後に大きな亀裂を生む場合も。今回悩みを打ち明けてくれた女性は、大好物はすべて自分のものだと思っている夫に悩まされているそうです。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんがアドバイスします。

 ◇ ◇ ◇

皿を分けたり、時間差を作ったりと対策するも効果なし

 東京都在住の粕谷璃奈さん(仮名)は、母のすすめで24歳のときに見合い結婚しました。顔が好みで性格も穏やかな夫に対し、不満はなかったそう。しかし、ひとつだけ受け入れられない癖があるといいます。以下、璃奈さんのお話です。

 私の夫は、母が都内のカルチャーセンターで仲良くなった友人の息子です。お見合いといっても堅苦しいものではなく、両親と私が相手の家にお邪魔して顔合わせを行いました。その後、母たちから強く背中を押され、交際から1年も経たず入籍することに。

 あれ? と思い始めたのは、「夕飯は何が食べたい?」と聞いたときのこと。豚肉のショウガ焼きをリクエストされたので、好物ならたくさん食べるだろうと、お肉を多めに買って3~4人分くらいの量を作ったんです。そして、喜んでもらえるかなと期待しながら食卓に並べたところ夫が豹変。みそ汁や副菜には目もくれず、ショウガ焼きを大量に取って、ガツガツと一心不乱に食べ始めました。

 私が唖然としているうちに、あっという間にお皿は空に。その後も、夫がリクエストする料理を作るたびに同様のことが続き、ショウガ焼き、から揚げ、肉じゃが、麻婆豆腐の4つを作るとひとり占めすることがわかりました。

 そこで、夫の好物を作るときは大皿盛りで出さず、私と夫それぞれの分を皿に分けて出すようにしたのですが、これは失敗。夫はあっという間に自分の分を食べ尽くし、私のお皿にまで手を伸ばしてきました。時間差で食べる方法も試したのですが、夫が食べ終わった後に台所へやってきて、取り分けておいた私の分を見つけ「もう、おかわりがあるなら言ってよ~」と、あっという間にたいらげてしまったのです。

食事のたびに溜まっていくストレス

 初めのうちこそ「しょうがないなぁ」「たくさん食べてもらおう」と思っていました。でも、対策をしているとなんだかみじめで、地味にストレスが溜まっていくんです。大好物以外を出したときはごく普通に分け合って食べられるのに、大好物を出したときは夫の目がらんらんと光っているようで、その目を見るのが本当に嫌なんです……。

 母と義母に相談もしましたが、もっと大量に作ればいいという解決策になっていないアドバイスしかもらえず。最近はあの顔を見たくなくて、できるだけ大好物の4品を作らないようにしていました。でも、夫は不満が募っているようで「から揚げ作って」「今日は絶対、肉じゃがにして」などと言われています。

 このままでは、夫のことを嫌いになってしまいそうで……。どうすればいいでしょうか。

大人の習慣を変えることは難易度が高い

 璃奈さんは、今のところ離婚を考えていません。しかし、夫の態度に改善が見られないのであれば、最終的には離婚を考える可能性もあるといいます。璃奈さんがすべきことはあるのでしょうか。夫婦カウンセラーの原嶋さんにお聞きしました。

「まず、これまでの不満をきちんと夫に話していないようですので、そこから始めてみたらいかがでしょうか。これから何十年も続くかもしれないのに、このままストレスを溜め続けていたら、璃奈さん自身が病んでしまうかもしれませんからね。『私だってショウガ焼きやから揚げが食べたい』『私の分まで食べてしまうのはやめてほしい』とストレートに伝えて、改善をお願いしてみるのが第一歩です」

 原嶋さんによると、話し合いを重ねるなかで「他人の分のおかずまで食べてしまうこと」が「おかしいことだ」と夫が自ら気づき、改善してくれるようであれば問題ないといいます。

「ただし、夫にはこれまで『好きなものなのだから、好きなだけ食べていいはず』という習慣があるので、いきなり変えることは難しいかもしれません。好物を作った日は、夫はダイニングで、璃奈さんはリビングで食べるなど、食べる場所を離して夫の視界に好物が映らないようにするのも手だと思います。一気に改善するのは難しい可能性があるので、きちんと思いを伝えたら焦らずに見守ることも大切です」

(和栗 恵)