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メーガン妃に続きヘンリー王子も提訴 キャサリン妃もかつて「盗聴の被害」に
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英国で大問題になり廃刊となった大衆紙も
ヘンリー王子が英大衆紙「ザ・サン」の出版元「ニュース・グループ・ニュースペーパーズ(NGN)」と「デイリー・ミラー」の出版元「ミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)」の2社を相手取り、留守電メッセージの盗聴で訴えを起こしたと報じられた。両社が4日、明らかにした。たった数日前に妻のメーガン妃が私的な書簡を違法に報じたとして大衆紙「メール・オン・サンデー」を提訴したばかり。これに伴い、ヘンリー王子は声明文を発表するなど、英国の大衆メディアを痛烈に非難していた。
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英国では、これまでもメディアによる電話盗聴が大問題になった経緯がある。英民放テレビ局「ITV」が公式サイトに掲載した記事によると、NGNが出版元で日曜紙として英最大の発行部数を誇った大衆紙「ニュース・オブ・ザ・ワールド」が2011年に電話盗聴が明るみに出て、廃刊に追い込まれている。
「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙は2002年3月に13歳で連続殺人犯の被害者となったミリー・ダウラーさんの携帯や2005年7月7日のテロの犠牲者達の遺族の携帯を盗聴。スクープを手に入れるため、盗聴という悪質な手口を指示した編集者のアンディ・コルソンには1年6か月の実刑判決が下り、同紙は発行160年以上の歴史に幕を閉じた。
この時の捜査で、ロイヤルファミリーのメンバーも盗聴被害にあっていたことが分かった。2014年に行われた裁判中、その被害者としてウイリアム王子とキャサリン妃、そしてヘンリー王子の名前が挙がった。
特に、ウイリアム王子との交際中だったキャサリン妃は、2005年から2006年に渡って155回も留守電をハッキングされている。その中にはクリスマスやバレンタインデーという、恋人達にとって特別な日も含まれていた。
またウイリアム王子には35回、ヘンリー王子は9回の留守電のハッキング被害があったとされている。
もちろんヘンリー王子からの提訴は起こされたばかりで、被害の詳細についてはまだ何も明確にされていない。しかし、盗聴という卑劣な犯罪行為を犯してでも、スクープを手に入れようとした英メディアに「前科」はある。
この盗聴提訴の3日前にはメーガン妃の実父に宛てた手紙を掲載した英大衆紙「メール・オン・サンデー」を提訴。この時には亡き母ダイアナ元妃まで持ち出したヘンリー王子の声明文に賛否両論が起こったが、もしも今回の盗聴が本当に行われていたということになれば、ヘンリー王子が「宣戦布告」したという形で起こった英メディアとの「大戦争」もかなりの優位に立てるはずだ。
しかしその一方で、法廷闘争が長引き争いが泥沼化する可能性も高く、今後の夫妻の精神面の疲弊やロイヤルファミリー内での立場も心配される状況にもなっている。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)