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元絶対王者オジュウチョウサン 最高の相棒と再会 「石神さんのまなざしが優しい」
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障害競走の絶対王者・オジュウチョウサン(以下、オジュウ)は、今年1月から「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」(北海道日高町)で種牡馬として過ごしています。そんなオジュウの元へ、現役時代ともに走った石神深一騎手が訪れました。同ファームの公式ツイッター(@Versailles_Farm)で、石神騎手とふれあうオジュウの姿が紹介されています。来訪時の様子などについて、同ファームの岩崎崇文さんにお話をうかがいました。
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石神騎手の闘志に火を灯したオジュウチョウサン
同ファームのなかで現在、屈指の人気を誇るのがオジュウです。中央競馬の障害レースで絶対王者として名を馳せ、昨年いっぱいで現役生活に終止符を打ちました。
そんなオジュウの元に、旧友が来訪しました。それは、オジュウチョウサンが出走した障害G1レース12戦すべてでコンビを組んだ石神深一騎手。最高の相棒だった元競走馬とその主戦騎手が再会を果たしたのです。
そのときの様子が同ファームの公式ツイッターアカウントにアップされると、すぐに1万件以上の“いいね”を集めました。リプライ(返信)には、「最高の“ふたり”」や「素敵な再会ですね」「石神さんのまなざしが優しい」などのコメントが寄せられています。
再会するのは約4か月ぶり。岩崎さんによると、石神騎手が来場したのは4月16日で、その日はファームに宿泊したそうです。
「オジュウも喜んでいました。石神さん自身も『もう一丁やったるわという気持ちになった』と話していましたね」
破壊神・タニノギムレットに負けないやんちゃぶり
オジュウが現役引退してから、わずか4か月。現役時は絶対王者として、ほかの馬はもちろん、人間さえも寄せ付けない王様ぶりだったと岩崎さんは言います。
「乗っている人を落とすことが趣味。ブラッシングしようとすると、壁と馬体の間に人を挟もうとして、世話をする厩務員さんも大変だったそうです」
オジュウとしてはじゃれていただけかもしれませんが、体重500キロの大型動物とのふれあいは命がけです。同ファームの破壊神といえば、ダービー馬のタニノギムレットがおなじみですが、現役時代のオジュウはその比ではなかったそう。
当時を知る石神騎手は、現在の馬房を覗く際、「大丈夫ですか?」とおそるおそるだったとか。そんな王者も、もう走る必要がないことは徐々に理解しているようです。
「今では落ち着いてきています。でも、最近は(後ろ脚2本で)立ち上がるようになっています。最初は借りてきた猫のような感じだったのが、地が出てきたのかもしれません」
サラブレッドは賢い動物。環境に慣れて、わがままが許されることを理解しているのかもしれません。
“第二の馬生”を歩むオジュウは、まだ12歳。競走馬としての表舞台からは去ったものの、「今も人気はすごい。新しいグッズを出すとすぐに売り切れ状態になります」と、岩崎さんも舌を巻くほど今でも多くのファンから愛されています。
(Hint-Pot編集部)