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乳児の寝かしつけライフハック 窒息の可能性に小児科医が警鐘 役立つテクニックとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「寝かしつけライフハック」に要注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「寝かしつけライフハック」に要注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 近年、乳児の寝かしつけに関するライフハックを謳う動画がSNSで拡散されています。ブランケットやタオルなどを使用し、赤ちゃんの体を包み込むようにして寝かしつけるテクニックがいくつも紹介されていますが、安易に真似をすると窒息の危険性が。女医によるファミリークリニックの院長で小児科医の竹中美恵子先生に、その注意点を伺いました。

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0歳児の不慮の事故8割が窒息死 その3割が寝室で発生

 このライフハックは、海外のベビーショップがTikTokで発信し、それがツイッターに転載されたことで注目を集めました。20日現在、ツイートは削除されていますが、元の動画は公開されています。赤ちゃんがタオルとガーゼで作った枕にうつ伏せで寝ている様子や、大判のブランケットを使って赤ちゃんの顔だけを出して包むおくるみのような使い方。また、横向きで寝る赤ちゃんにブランケットで作った簡易抱き枕を抱かせるなど、タオル類を使ったさまざまなテクニックを紹介されています。

 消費者庁によると、0歳児の不慮の事故のうち、8割は窒息が原因になっています。さらに、厚生労働省「人口動態調査」の調査票情報(2010(平成22)年から2014(平成26)年までの5年間分)を同庁が入手・分析したところ、0歳児の就寝時の窒息死事故は160件。これは窒息事故全体の32%に上ります。

 0歳児の就寝時における窒息死事故の原因を見ていくと、一番多いのが「顔がマットレスなどに埋まる」で33件。次に「かけ布団等の寝具が顔を覆う・首に巻き付く」が17件。また、「ベッド上の衣類やクッション等で顔が覆われる」が4件など、寝具が原因の事故が多発していることもわかりました。

小児科医が教える、寝かしつけに役立つテクニック

 乳児は寝返りや移動を自力でできないため、ひとたび顔がやわらかな布に埋まるなどすると、息ができなくなってしまいます。また、顔の上にやわらかなタオルやガーゼが覆いかぶさった場合も、大人のように掴んでどかすことはできません。

 小児科医の竹中美恵子医師は、今回の動画について次のように警鐘します。

「とくに、タオルの上でうつ伏せ寝させている方法や、ブランケットでおくるみのように顔だけ出して包む方法は危険です。海外では、赤ちゃんの首のトレーニングをするために芸能人の方が実践されていると聞いたことがありますが、窒息の恐れがあります。

 寝返りできない子どもがうつ伏せ寝で窒息し、緊急搬送されてきたことがありますが、非常に怖い思いをしました。首の筋力が十分でないときは、うつ伏せは大人が見える範囲内で数分以内にとどめておき、目を離すときには絶対にやってはいけません」

 とはいえ、毎日の寝かしつけはとても重労働。ライフハックに頼りたくなることもあると思います。そこで、小児科医も実践する、安全で役立つ寝かしつけのテクニックを教えていただきました。

○寝かしつけに役立つテクニック
・添い乳をする(赤ちゃんの様子を見守りながら行ってください)
・赤ちゃんがお腹の中にいたときによく聴いていた曲やドラマを流す
・お母さんの心臓の近くに赤ちゃんの耳を当てる
・童謡を聞かせる
・部屋の中を暖かくて暗い環境にする

 SNSにはさまざまなライフハックがあふれています。もちろん役立つものもありますが、すぐに飛び付くのではなく、一度冷静に考えてから参考するようにしましょう。

◇竹中美恵子(たけなか・みえこ)
小児科医。女医によるファミリークリニック院長。難病指定医、キレーション認定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医。金沢医科大学医学部医学科卒業。

(Hint-Pot編集部)