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からだ・美容

老け見えしがちなまぶたのたるみ 放っておくと不調につながることも 予防法を医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

まぶたのたるみは“老け見え”の原因に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
まぶたのたるみは“老け見え”の原因に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 年齢を重ねると気になるのが「たるみ」です。とくにまぶたが下がってくると目元がぼんやりとして見え、実年齢よりも老けた印象に。たるみがひどくなると視界が狭くなり、生活に支障をきたす恐れもあります。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は「まぶたのたるみ」について、美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。

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一番の原因は加齢による皮膚のたるみと筋力の衰え

 目元だけでなく、顔のたるみの主な原因は加齢です。肌は表皮、真皮、皮下組織の3つの層からできていて、ハリや弾力を維持しているのが真皮です。

 真皮はコラーゲン、エラスチンの繊維からできていますが、加齢とともに減少していきます。すると、ハリや弾力がなくなり、皮膚がのびて下がってしまいます。それがたるみです。

 コラーゲンとエラスチンはたんぱく質でできていますので、食事でたんぱく質を積極的にとるようにするといいでしょう。コラーゲンやエラスチンの材料であるアミノ酸と、それらを作るのに必要なビタミンCも、肌のハリや弾力を維持するために欠かせません。

 目の周りには「眼輪筋(がんりんきん)」という表情筋があります。目をギュッとつぶるときに収縮する筋肉で、まぶたを支える役割もします。

 上まぶたを開けるときに使うのが「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」です。筋肉も加齢によって衰えていきますので、まぶたが下がってたるみます。

 下まぶたも例外ではありません。皮膚のたるみや、眼輪筋の衰えによりたるみが起こります。筋力が弱くなり下がってくると、眼球を支えている「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が前にせり出して目袋がぷっくりとふくらみ、その下がへこんで影となりクマが目立つようになります。

眼輪筋の衰えのもと スマホの見すぎに要注意

 皮膚のたるみ、筋力の衰えの原因は、加齢によるものだけではありません。

 近年、パソコンやスマートフォンの長期使用により、目を酷使する人が増えています。仕事だけでなく、移動時間など隙間時間でもスマホやタブレットが手放せず、一日中何かしらの画面を凝視しているのではないでしょうか。

 画面を集中して見ていると、瞬きの回数が減り、目の周りの血流が悪くなります。また、筋肉は動かさないと力が弱くなりますし、凝り固まってさらに血行不良に。まぶたを支えている眼輪筋や眼瞼挙筋の機能が衰えて筋肉が弛緩すると、まぶたはたるんでいきます。

 パソコンなどで集中して作業するときは、定期的に目を休ませてあげることが大切です。目を閉じて休めるだけでなく、意識的に動かすことで血行が良くなって筋肉のトレーニングになり、たるみ予防につながります。上下左右を見る、しっかりと瞬きをするだけでもOK。

 マッサージをするときは、過度に押さえたり皮膚を引っ張ったりしないよう優しく行いましょう。強い刺激を与えると、逆にたるみの原因になってしまいます。