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不動産の売却で損したくない 「売らない」判断は賢明? 不動産のプロがアドバイス
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
未曾有の金融緩和政策により、住宅ローン金利の水準が史上最低といわれるなか、東京・大阪・名古屋の三大都市圏をはじめ、札幌や広島、福岡といった地方都市も地価が上昇しています。その反面、地価が下落しているエリアも多く、手持ちの不動産をいつ売れば良いのか悩んでいる方も多いことでしょう。不動産の売却で損をしないためには、どうすれば良いのでしょうか。不動産取り扱い経験は20年以上、東京・中目黒の「コレカライフ不動産」姉帯裕樹さんに教えていただきました。
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「1円たりとも損したくない」ならば、住み続ける決断を
手持ちの不動産で絶対に損をしたくないと思うなら、売らない選択が大切──。そうアドバイスする姉帯さんは、理由を次のように解説します。
この仕事をしていると、「絶対に損をしたくない!」という方も多くいらっしゃいます。そうした人に、僕から言えるのはたったひとつ。
「売らない選択をしましょう」
これだけです。乱暴な答えかもしれませんが、売りさえしなければ、地価が下がろうがなんだろうが絶対に損はしません。たとえ購入時から地価が大きく下落したとしても、住み続けていればそんなことは関係ないでしょう。
そもそも「売ったらどうなるか?」などということを考えるから損をした気持ちになるし、「あのとき売っていれば!」「別の場所を買っておけば!」などと家族間で揉めることもあります。
買った値段以上の価格で売却できることもあれば、下がることもある。残念ながら、それが不動産というもの。衣食住の「住」に絶対はありません。それでもどうしても「絶対」を叶えたいのであれば、「売らない」一択しかないのです。
建物は古くなる一方 買ったときより安くなる
不動産を購入する際に必ずチェックしてほしいのが、その物件がある「場所」です。駅から近く、通勤通学の便が良い場所であれば、土地そのものの価格が下がることはまずないでしょう。売却の際に一定額で売ることができるので、大きく損をすることはないはずです。
もちろん土地の状況によって、買った価格より下がることが絶対にないとは言えません。また、家そのものは古くなる一方なので、買ったときより安くなるのは仕方のないことです。
繰り返し言いますが、どんな不動産物件でも住み続けさえすれば、個人的な価値は買ったときと変わらないまま保つことができます。ですので、住む人がいなくなった場合は、賃貸に出すなどして価値を保つのもひとつの手です。不動産で損をしたくないのであれば、焦って売却しないことをおすすめします。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。