からだ・美容
5月でも熱中症になるのはなぜ? 高齢者はとくに注意を 医師が警鐘
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教えてくれた人:近藤 千種
暑さに対する感覚や調整機能が衰える高齢者はとくに注意
年齢を問わず熱中症対策は欠かせませんが、前述した通り搬送人員がもっとも多かった高齢者は、とくに注意が必要です。高齢者の熱中症が深刻な症状になりやすい理由は、暑さに対する感覚や調整機能が低下することや、若年者に比べて体内の水分量が少ないことが挙げられます。
「高齢になると、気温が高くても暑さを自覚しにくくなります。そのため、気温が高い日でもエアコンを使用しなかったり、コートやダウンジャケットを着用したりと気温に対して適切な対応ができず、より熱中症のリスクが高まります」
もともと低栄養だったり、筋力が低下していたりする場合も注意が必要です。回復する能力が低くいため、熱中症になると重症化するリスクが上がります。
こまめな水分補給を フルーツやゼリーも活用!
体が冷えやすくなるなどの理由で、水分をたくさんとるのが苦手という高齢者も少なくありません。最後に、おすすめの水分摂取方法はあるのでしょうか。
「高齢者に必要な1日の水分量は、およそ2500ミリリットル。食事以外に直接飲む量としては1000~1500ミリリットル、コップ7杯分ほどです。一気にたくさんの水分をとることは難しいため、時間と量を決めてこまめな水分補給を心がけてください。また、おやつに水分の多いフルーツやゼリーなどを食べるのも良いでしょう」
高齢者はのどの渇きも自覚しづらいため、のどが渇いていなくても定期的に水分補給をするように心がけることが、熱中症を予防する第一歩です。また、天気予報を確認し、暑い日は無理をしすぎないようにしましょう。
(Hint-Pot編集部)
近藤 千種(こんどう・ちぐさ)
1971年生まれ、愛知県名古屋市出身。ちぐさ内科クリニック覚王山院長・抗加齢医学会認定専門医。10代からモデルとして活躍。33歳で医師を志し、その後わずか1年で帝京大学医学部に合格。医学生時代に日本スクーバ協会が主催する「ミスダイバー」コンテストで第9代準ミスダイバーを受賞し、GTレースクイーンやグラビアアイドルとして活動する。2013年に帝京大学医学部卒業、医師免許取得。現在は愛知県名古屋市内にて、ちぐさ内科クリニック覚王山院長として内科医だけでなく美容内科/美容皮膚科医としても活躍中。