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もうすぐハロウィン カボチャの収穫は「宝探し」のよう 兼業農家の嫁が綴る「旬野菜」だより

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

手のひらサイズで食べ切れるのが人気のミニかぼちゃ【写真:こばやしなつみ】
手のひらサイズで食べ切れるのが人気のミニかぼちゃ【写真:こばやしなつみ】

収穫後に丸のまま保管 追熟すると水分が抜けて甘みが増す 

 カボチャは、ウリ科のカボチャ属の野菜です。キュウリやスイカ、メロンなどと同じ科の仲間です。ウリ科のお野菜は、高温・多日照を好むものが多い点からか、葉は大きく成長し、つるもグングン伸ばしていくのが特徴です。カボチャも、葉の成育ぶりが旺盛なので、収穫には葉の陰に隠れたカボチャを探すのが「宝探し」状態です。太陽の恵みを最大限に受けたカボチャの栄養価の高さにも納得です。

 国産カボチャの収穫の最盛期は夏~初秋です。カボチャは収穫後、丸のまま冷暗所で保管すると約2~3か月かけて追熟し、水分が抜けて甘みが増すのが特徴です。よって、秋冬には、夏~秋に収穫されたカボチャが追熟期間を経て、完熟となり食べごろを迎えるのです。

 私の農園では、手のひらサイズのミニカボチャ「栗カボチャ」を育てています。西洋カボチャの分類にあたる品種で、味が甘く、ホクホクとした食感が特徴です。ちなみに、現在日本で食べられている国産カボチャの大半は、「西洋カボチャ」だというので驚きです。特徴は、甘みの強さや栄養価の高さにあるようです。「西洋カボチャ」は江戸末期にアメリカから初渡来、明治初年に開拓史が北海道に導入したものが普及して今に至るのだとか。

 一方、「西洋カボチャ」よりも先に、戦国時代にポルトガル船により伝えられたという「日本カボチャ」は、今では流通量がかなり限られていて、京都の「鹿ヶ谷(ししがたに)カボチャ」や宮崎の「黒皮カボチャ」などのように、地域の伝統野菜といった形で貴重な存在になっています。日本カボチャも、旅先などで出会えたら幸運で、食べてみると新たなカボチャの魅力を発見できるかも知れません。日本料理にはやっぱり「日本カボチャ」が合うそうですよ。次回は、おいしいカボチャの見分け方と保存、そしてシンプル料理レシピをお届けします。
 
参考:
「七訂 食品成分表 2016」(監修:香川 芳子、発行:女子栄養大学出版部)
「改訂 増補 栽培植物の起源と伝播」(著者:星川 清親、発行:二宮書店)

(こばやし なつみ)