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夫の小さな嘘が理解できない 結婚3年目の女性の悩み 夫婦カウンセラーの答えは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

夫の嘘に辟易(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夫の嘘に辟易(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 つかなくても良い小さな嘘をつく夫に悩まされているという女性。一つひとつがとても些細で重要ではないことでも、その場しのぎの言葉にうんざりしてしまったといいます。なぜ、夫はそんな嘘をつくのでしょうか。夫婦カウンセラー・原嶋めぐみさんのアドバイスとともにお届けします。

 ◇ ◇ ◇

一つひとつは本当に小さな嘘の積み重ね

 夫の小さな嘘に悩んでいるという、千葉県在住の菅谷衣奈さん(仮名)。夫とは大学時代の先輩に紹介されて出会い、結婚しました。以下は、今年で結婚3年目を迎える衣奈さんのお話です。

 夫を紹介してくれたのは、就職活動のときにすごくお世話になった先輩でした。夫は一流企業に勤め高収入。「こんなにすごい人はいないよ! チャンスは今しかないよ!」という先輩の言葉に背中を押され、2年の交際を経て結婚しました。

 実はつきあっているときから、なんとなく「あれ?」と思うことがあったんです。でも、そのときは「私の気のせいかもしれない」「私が聞き違えたのかもしれない」と、その違和感に目をつぶってしまっていました。その違和感というのが、本当に小さな「嘘」だったんです。

 一つひとつは、小学生が口にするような嘘です。つきあっている頃、私が土曜日と日曜日に仕事で、夫が私の家で帰りを待っている日がありました。当時、私は学生時代に旅先で買った小さな陶器のグラスを部屋に飾っていたのですが、夫が来た数日後にそれがなくなっていたことがあったんです。そこで夫にグラスの行方を知らないか聞くと、倒れて割れていたから捨てたというのです。私は夫の話にショックを受けながらも、陶器だから金継ぎで直せるかも! と思い、不燃用のゴミ箱を覗いてみたのですが見当たりません。そして改めて捨てた場所を聞くと、マンションのゴミ置き場だというのです。

 捨ててから数日経過していたため、グラスを取り戻すことは叶いませんでした。とはいえ、それ以上突っ込むことはできず。夫は、それまで一度も私の住んでいたマンションのゴミ置き場なんて行ったことがなかったのに、なぜグラス1つをわざわざそこまで捨てに行ったのか……聞くに聞けませんでした。

 結婚後は、個々に盛り付けたおかずの量が変わっていることもありました。私のお皿には唐揚げを5個盛り付けたはずなのに、食卓に並べてちょっと席をはずした隙に1個減っていたんです。そこで「1個返してもらうからね~」と笑顔で箸を伸ばしたら、真顔で「そんな意地汚いことするわけがないでしょ」と言われたんです。あまりに本気のトーンなのでなんだか確信が持てなくなり、そのまま話は流れました。

 ほかにも細々とした嘘がたくさんあるのですが、どれもこんな調子で。悪びれる様子もなく「俺は間違ったことは言っていない」という態度を貫くので、とてもストレスが溜まります……。最近では、夫が帰宅する時間が近づくと憂鬱に。夫は口が立つタイプなので、親や先輩にこうした相談をしても信じてもらえないのもつらいです。

小さなことでもすべて記録を

 夫婦カウンセラーの原嶋さんに、衣奈さんがとるべき対処方法をお聞きしました。

「なるほど。衣奈さんの夫は、外面が非常に良いタイプの男性なのですね。話を聞いた限りでの感想ですが、夫は自分自身を飾って生きるために生じるストレスを、衣奈さんに対し小さな意地悪をすることで発散しているように感じます。また、本人は自分自身を完璧な夫、完璧な男性として見せたいので、自分が失敗したことや我慢できなくてしてしまったことを、正直に口にできないのでしょう」

 原嶋さんによると、結婚生活は毎日の積み重ねです。離婚するほどではないけれど、できれば嘘をつかないでほしいと願うのであれば、まずは対策として一つひとつ気になったことを日記に書き出していくと良いといいます。

「いつ、どのようなことがあったか、どんなに小さな違和感でもOKです。また、可能な限り写真に収めておくと良いでしょう。もちろん、日記は夫の目に入らない場所にしっかりと隠しましょう。指紋認証や顔認証タイプのオンライン日記などを使っても良いと思います。こうして書き留めることで、衣奈さんのストレスを発散することもできます。衣奈さん自身の心の健康を守る手段として、日記を活用してみてください」

 もう離婚になってもかまわないという決意があるならば、話し合いの場を設けるのも良いそう。

「夫に本当のことを言ってほしいこと、完璧な夫じゃなくても問題がなかったことなど、感じていることをすべて伝えてみるのも良いでしょう。ただし、夫が衣奈さんの言うことにまったく耳を貸さないどころか、恥をかかされたと怒りを爆発させる可能性もあります。話し合いの際は、信頼できる友人やカウンセラーなど、第三者と一緒に行うと良いでしょう」

(和栗 恵)