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からだ・美容

「肌の五月病」に要注意 原因やスキンケア方法は 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

5月は肌トラブルが起きやすい季節。「肌の五月病」とも呼ばれる(画像はイメージ)【写真:写真AC】
5月は肌トラブルが起きやすい季節。「肌の五月病」とも呼ばれる(画像はイメージ)【写真:写真AC】

 5月の大型連休が終わり、そろそろ新しい環境にも慣れてくる頃。気候も良く過ごしやすい季節ですが、なんとなくやる気が起きない、体がだるい、落ち込みやすい、目覚めが悪いなど不調を感じている人が増える季節でもあります。いわゆる「五月病」です。実は心身の不調だけでなく、肌にもトラブルが起きやすいのが5月。マスク着用が個人判断となり、これまで隠れていた顔を出すことになると、さらに肌の調子が気になるものです。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は「肌の五月病」について、美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。

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新しい環境でのストレスや気候の変化で肌トラブルが起きやすい

 就職や転勤、異動、進学など春は新たな生活が始まる季節ですね。新生活への期待がある一方で、慣れない環境で気づかないうちにストレスを抱えている人も多いでしょう。

 日々、蓄積された緊張や疲労が不調となって現れるのが、新生活が始まって1か月後の5月頃なので「五月病」と言われますが、これは医学的な病名ではありません。ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れによって、気分の落ちこみや集中力の低下、倦怠感、めまい、不眠などの症状が出てきます。

 このストレスは肌にとっても大敵。自律神経の乱れは血行不良を引き起こすため、肌の新陳代謝が悪くなりターンオーバーの周期も乱れてしまいます。

 また、5月は気温が急に上がり、夏のような日が増えます。すると汗や皮脂の分泌が活発になり、肌に負担がかかることも。紫外線も強くなってきますから、肌へのストレスが増えて肌荒れを起こしやすい季節でもあるのです。近年ではこのことを「肌の五月病」と呼ぶようになりました。

肌荒れ対策は基本に立ち返ること

 肌の不調を感じたら、慌てずにまずは基本のスキンケアをしっかりと行いましょう。

 朝、晩の洗顔はふわふわの泡で汚れを吸着するように優しく、丁寧に。少ない泡でゴシゴシと洗うと、摩擦が起きて肌に負担をかけてしまいます。クレンジングも肌をこすりすぎないように注意してください。優しく洗ったら、泡が残らないように時間をかけ丁寧にすすぎましょう。すすぎ残しは肌荒れの原因になります。

 洗顔後の肌は無防備ですから、すぐに化粧水で水分を補給し、乳液で保湿をして肌を守るケアをしてください。気温が上がると肌がベタつきやすくなるので保湿を控えがちですが、肌の水分が蒸発して乾燥が進むため保湿ケアは必須です。

うっかり日焼けに要注意! 夏用の紫外線対策にチェンジ

 カラッと晴れた日が続き、過ごしやすい季節ですが、気温上昇とともに紫外線の量と強さも上昇し、真夏並みの暑さになることも。肌が不安定になっている時期に強い紫外線を浴びると、ダメージも大きくなります。シミ、くすみ、シワなど肌老化を進めるもとです。

 この時期、まだ夏ではないからと紫外線対策が不十分になりがちです。洗濯物を干すとき、近所のスーパーマーケットへ行くときなど、ちょっとした外出時でも日焼け止めを塗ることを忘れないようにしてください。日傘や帽子で紫外線を防ぐのもいいでしょう。室内にいても紫外線の影響を受けますから、スキンケア後にUVケアをすることを習慣化するといいですね。

 日焼け止めはムラなく丁寧に塗り、汗をかいたら塗り直すことが大切です。生え際やアゴの下、首の後ろも忘れずに塗りましょう。