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からだ・美容

「肌の五月病」に要注意 原因やスキンケア方法は 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

湿度は冬並み 乾燥対策で肌のバリア機能を守って

 紫外線は真夏並みになりますが、湿度は低く冬並みのときも多い5月。過ごしやすいのですが、肌にとっては過酷な状況です。

 肌が乾燥していると、肌自身が水分の蒸発を防ごうとして皮脂を過剰に分泌するため、テカりやベタつきといった不快な状態に。皮膚の表面はベタついているけれど、内側は潤いが足りずにカラカラになっている可能性があります。

 乾燥は肌のバリア機能を低下させ、外からのちょっとした刺激にも敏感になって炎症を起こしやすくなります。5月はまだ花粉も飛んでいますし、黄砂やホコリなどでかゆみが起こることも。もちろん、紫外線によるダメージも受けやすくなります。

 マスクをつけていると蒸れるので、あまり乾燥を感じなかった人もいるかもしれません。しかし、マスクをはずす機会も増えてきますし、乾燥しやすい時期ですから保湿ケアをきちんと行うようにしてください。

生活習慣の見直しも大切 適度な運動、入浴でストレス発散を

 五月病のもとであるストレスを取り除き、生活リズムを整えることが一番の改善策です。連休でリフレッシュできていればいいのですが、休み中に張りつめていた緊張の糸がゆるみ、かえって憂うつな気分になってしまった人は気分転換できることを見つけたり、適度な運動をしたりしてストレス発散を心がけましょう。運動をすることで気晴らしになりますし、質の良い睡眠にもつながります。

 体がだるい、やる気が起きないとお風呂に入ることも面倒になりがちですが、シャワーだけで済ませず湯船にゆっくりと浸かるようにしましょう。体が温まることで緊張がほぐれますし、血行が良くなり発汗も促されスッキリとします。肌の新陳代謝も高まり、健やかな肌を保てるようになりますよ。

 栄養の偏りも心身の健康に悪影響を及ぼします。ひとり暮らしを始めて朝食を抜くようになった、外食が増えたという人もいるでしょうし、新しい環境になじめず食欲不振になっている人もいるでしょう。忙しさから早食いになったり、炭水化物メインの食事になったりしている人も注意が必要です。たんぱく質、炭水化物、脂質をバランス良くとり、ミネラル、ビタミンを過不足なくとるように心がけてください。

 新しい環境に慣れようとついつい頑張りすぎてしまいがちですが、無理をせず生活リズムを整えることから始めてはいかがでしょうか。

(岩淵 美樹)

佐藤 卓士(さとう・たかし)

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。