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カラスの正体に「マジシャンの域」と5万人驚愕 独学とは思えない色鉛筆画家のこだわりは
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真っ黒なカラスが白紙の上に立っています。しかし、実はこのカラス、実物でも写真でもありません。なんと、色鉛筆で描かれた絵なのです。羽根の質感や白い紙に落ちた影の様子など、本物のようにしか見えません。いったい、どのように描いているのでしょうか。作者のARIA(@aririria_art)さんに詳しいお話を伺いました。
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「本物に見えたらうれしい…!!」 苦手だと語る生き物にも積極的に挑戦
独学で絵を描き始めたというARIAさん。立体感のある写実画が得意な色鉛筆画家です。色鉛筆で絵を描き始めてまだ7年ですが、ARIAさんの描く圧倒的にリアルな作品はたびたび注目を集め、美術館で展示されたこともあります。
そんなARIAさんの代表作は、結露まで忠実に描かれたコカ・コーラの瓶を描いた作品。また、くしゃっとシワの寄ったポテトチップスのパッケージを模写したものなどで、静物が中心です。しかし、ここ数年はイカやナマズなど生き物の絵を発表。さらに最近では、インコなどの鳥類にも果敢に挑戦しています。
「生き物の絵はほかの静物画に比べて、あまり得意ではないです。けれども、今年は苦手な分野にも積極的に挑戦しようと決めました」
ARIAさんによると、動物はこれまで得意としてきた立体感に加え、躍動感も表現しなければならないため、題材にもよりますが、難しいと感じることが多いそうです。しかし、今回話題を呼んだ作品は、そんな言葉が信じられないほど、生き生きと描かれています。
濃いブルーやパープルを何色も重ねて複雑な色合いを表現
今回、多くの人を驚かせたのが、白紙の上に立つカラスを描いた作品です。下書きには1時間、色付けの作業には5時間がかかりました。
「画材は、カランダッシュ・ルミナンスというスイス製の油性色鉛筆を約30色と、白のポスターカラーを使用。紙は純白で厚みがあり、滑らかな描き心地のストラスモア社製のブリストルベラム紙を選びました。ほかにも紙を切り抜くためカッターやデザインナイフを使っています」
ARIAさんがもっともこだわっているのは、「グラデーション」。カラスといえば真っ黒のイメージですが、ARIAさんは羽根部分だけでも、濃いブルーやパープル系の色を混色して色彩を表現しました。何色も重ねて作った複雑な色合いや光沢感が、生命力を感じさせる仕上がりに導いています。
一方、難しかった点は「カラスの影」。参考写真をじっくりと観察しましたが、肉眼ではどんな色かが確認できず、独自に表現。しかし、仕上がりは想像以上のもので、そのできばえに満足しているそうです。
作品がツイッターで公開されると、瞬く間に5.2万件もの“いいね”が集まりました。そしてリプライ(返信)には、「すごっ!」「これはすごい技術だ」「飛びそう! 鳴きそう!」「素晴らしいです。本物にしか見えません」「なんという立体感」「回転させなきゃ絵だってわからないの相変わらずすごすぎる……!!」「もう絵描きというよりはマジシャンの域なんだけど……」「今にも羽ばたいていきそうで素敵です!」など多くの称賛の声が寄せられています。
ARIAさんの作品は、本物そっくりなあまりに「写真では?」と疑いの声が上がることもあるそう。そのためARIAさんは自身のツイッターやインスタグラム(aririria_art)で、各作品の制作過程や、鉛筆を作品の上で転がす検証動画なども公開しています。
これからも、どんなハイクオリティな作品が発表されるのか、たくさんのファンが胸をワクワクさせて待ち望んでいます。
(Hint-Pot編集部)