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不動産を「少しでも高く、早く売りたい」 希望が叶う業者の選び方をプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

売却時の注意点とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
売却時の注意点とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「少しでも高く売りたい!」と誰もが考えるであろう、マンションなど不動産の売却。不動産業界に20年以上携わってきたプロ、東京・中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんによると「不動産業者の選び方が大切」だといいます。失敗や後悔のない売却のために、業者を選ぶ際に気をつけるべきポイントをお聞きしました。

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「有名だから安心だろう」だけで選ばないほうがいい

 テレビCMなどで名前をよく聞く不動産会社なら大丈夫、大手不動産会社を利用しての売却なら安心だと思っている方も多いと思いますが、なかなか気づかない注意点があります。そこに、大きな落とし穴があるのです。

 これは僕の知り合いの例ですが、1995~1996年頃に建てた100平米ほどのマンションを売ろうとして、ある大手不動産会社に依頼したそうです。しかし、半年間で内見者数はわずか2件。もちろん、まったく買い手は現れませんでした。

 なぜこういうことが起こるかというと、自分たちが抱えている顧客にしか情報を流さないため。場所によっては、そもそも物件を探している客自体が少ないので、売れるまでに時間がかかってしまうことがあるのです。

 また、「専任契約(専任売買ともいい、同時に複数の不動産会社に頼むことができない契約形態)」にしてしまうと、なおのこと売れるものも売れなくなってしまいます。「今すぐ売りたい」「売ったお金でほかのマンションを買いたい」と思っている方には向きません。

 では、どこに頼むべきか。地元密着で評価されている小~中規模の、「仲介」を行ってくれる不動産業者をおすすめします。地元密着であればそのエリアの市場価格に間違いなく詳しいですし、エリア内のニーズを探す際もスムーズです。

地域密着型の不動産業者がおすすめの理由

 これは不動産だけのことではないと思うのですが、売りたい商品を少しでも高く早く売りたいという希望を叶えるためには、その商品について少しでも多くの方に知ってもらうことが大切ですよね。不動産であれば、横のつながりが強い地域密着型の業者を通すのがおすすめ。地元を中心に、多くの方へ情報が行き渡ると期待できます。

 先ほど例に挙げた知人から「なかなか売れないんだけど……」と相談されたので、僕からは大手業者に頼むのをやめるようアドバイスしました。知人は「でも、付き合いがあるから……」と渋っていましたが、不動産業に携わっている僕からしたら、半年で内見が2件では変えざるを得ないとしか言いようがないです。

 もしも今まさに物件を売却しようとしていて、なかなか売れずに困っているというのであれば、業者を変えてみるというのもひとつの手でしょう。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。