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大学で学位を取得するも就職できず…ホームレスになった男性の悲痛な思いが米国で話題
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就職活動がうまくいかず、大学卒業後、ホームレスになってしまったというある男性。卒業式で着用した帽子とマント姿で「お助けください」と物乞いする姿が、米国で話題を集めています。いったい、彼に何があったのでしょうか?
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就職活動でチャンスを掴むも内定には届かず…
28歳のマイケル・ウィルソンさんは先月、ミシガン州立大学を卒業。デジタルストーリーテリングという映像分野で学位を取得しました。
マイケルさんは就職活動で90社に履歴書を送り、面接のチャンスを3社分掴んだものの、内定には届かず。米地元紙「ランシング・ステート・ジャーナル」によると「何もせずに座っているわけにいきません。大学の学費も払ってきました。周りが言うことはすべてやってきたのですが……」と、マイケルさんは厳しい現状を語っています。
マイケルさんは今月14日、ミシガン州イーストランシングの路上にいました。同紙によると、卒業式で着用したグリーンの帽子とガウンという驚きの姿で「ホームレス。ジョブレス。なんでもいいのでお助けください」と記した段ボールを手に、交差点で一時停車するドライバーに物乞いをしていたそうです。
マイケルさんの父親は海外での軍役でこの世を去り、新型コロナウイルスのパンデミック時に同居していた母からは、一緒に住むことを断られてしまいました。
さらに、住んでいた家の契約も終わってしまったとのこと。マイケルさんに必要なのは住居の確保と、使用料の滞納で止められてしまった携帯電話を復旧させるための70ドル(約9600円)を手にすることです。
「誰かが仕事の面接で電話をしてくれたとしても、僕は電話に出られないんです」
当座の資金繰りのために、飲食店のドアマンなどのアルバイトにも申し込んだそうですが返答はなし。同紙では、マイケルさんが学費をいまだに支払っており、時給の低い仕事を続けた場合、生活費と学費をカバーできないことも報じられています。
学費を支払うための猶予は残り6か月。マイケルさんは大学での成績をいかして、地元メディアへの就職を目標にしているそうです。
父親の軍役を理由に奨学金を受け取る資格が与えられ、大学に進学できたというマイケルさん。困窮の今は母校に対しても言いたいことがあるようで、「彼らは僕をサポートしたくなかった。お金が欲しいだけなんだ」と語っています。
一方、同紙の取材に対して大学側は「卒業生の93%が定職についており、卒業生や在校生に20万以上のインターシップを用意している」というデータを提示したそうです。
「学位がないために自分のポテンシャルを諦める人がいる一方で、学位なんかなくても、その人にポテンシャルがあれば雇う人もいるでしょう。私たちは学位に大きな価値を置きますが、結局はたいして何かを得ることはできません。その人の努力しだいです」と、試練の日々が続くマイケルさんは話しています。
(Hint-Pot編集部)