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レタスがピンクに変色する理由とは 食べてもOK? 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

レタス(写真はイメージ)【写真:写真AC】
レタス(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 気温が上がり、生野菜がおいしい季節になりました。サラダの定番といえばシャキシャキのレタス。しかし、冷蔵庫に保存していたレタスを取り出してみたら、ピンク色や赤茶色などに変色した部分が。食べて良いのか迷う……という経験もあるのではないでしょうか。そこで、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ピンク色はポリフェノールの酸化 傷んだレタスの特徴は?

 レタスは通年出回りますが、晩春から夏にかけて旬を迎えます。高冷地ものが多く出回る夏は、朝どれの新鮮なものが店頭に並び、価格も比較的手頃なものが多くなるでしょう。便利なカットレタスもありますが、やはり丸ごと買ったほうがお得。上手に保存し、使い切りたいところです。しかし、冷蔵庫で保存していざ使おうとすると、ピンク色や褐色に変色していることがあります。

――これは何が原因なのでしょうか?

和漢さん(以下、同)「レタスに含まれるポリフェノールが酸化したために起こります。皮をむいたリンゴが酸素に触れると変色するのと同じ原理です。この現象を褐変と言います。カットされたレタスの切り口が空気に触れるので褐変しやすくなるのです」

――食べても問題はありませんか?

「問題ありません。しかし、見栄えがあまり良くないので、サラダで生食するよりもチャーハンや野菜炒め、スープやみそ汁などの具材として使うと良いでしょう。ただし、黒っぽく変色している場合は傷んでいるケースがあるので注意が必要です」

――傷んだレタスにはどんな特徴がありますか?

「葉が溶けている、茶色の汁が出ている、ぬるぬるする、臭いがある場合は、ポリフェノールが酸化して起こった褐変とは異なります。腐敗しているので廃棄しましょう」

おいしいレタスの選び方やカットのコツは?

レタスチャーハンにしておいしく食す(写真はイメージ)【写真:写真AC】
レタスチャーハンにしておいしく食す(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――レタスの変色を防ぐにはどうしたら良いでしょうか?

「カットしたレタスならば、塩水やレモン汁にさっと浸けて水分を取って保存すると良いでしょう。レタスを丸ごと購入した場合は、生長点の働きを止めるために生長点のある芯をくり抜き、キッチンペーパーを詰めて冷蔵庫の野菜室で保存しておくと比較的長持ちします。早めに食べ切るのが一番です」

――切り方のコツもありますか?

「包丁を使ってカットせずに、手でちぎるほうが良いでしょう。包丁の素材によってはポリフェノールに反応し、変色しやすいためです。包丁を使う場合は、鉄製のものよりもステンレス製やセラミック製のもののほうが酸化しにくいでしょう。手でちぎるとドレッシングなどの味も染み込みやすくなり、おいしく食べられますよ」

――おいしいレタスの選び方のポイントを教えてください。

「通年並ぶ野菜ですが、初夏にかけて旬を迎えます。葉にハリがあってみずみずしく、結球がゆるやかなものがおいしいといわれています。2等分になって切り口が見えているものであれば、芯が小さく、葉がぎっしりとしていないものを選ぶと良いでしょう」

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾