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引っ越しでは関東・関西の“違い”を要チェック エアコン有無や敷金・礼金・更新料にも差

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

関東と関西で不動産の常識にも“違い”が(写真はイメージ)【写真:写真AC】
関東と関西で不動産の常識にも“違い”が(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 関東と関西には、同じ日本にありながら文化や言葉・意識においてちょっとした“違い”があります。不動産業界においても、そうした“違い”があるそうです。業界に携わって20年以上の経験を持つ不動産のプロ、東京・中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに聞きました。

 ◇ ◇ ◇

敷金や礼金の慣習にも“違い”が!

 たまに仕事で関西に行くと、東京と大きく違っていて興味深いです。私が一番印象的だったのは「エアコンのあり・なし」。関東、とくに都心で2LDKから3LDKのファミリー向けの部屋を借りる場合、多くの部屋に最低でも1台はエアコンが付いています。

 しかし、関西方面に行くと、エアコンが付いている物件が少ないのです。すべての物件ではありませんが、付いていたとしてもリビングルームだけという部屋が多く、主寝室や子ども部屋にエアコンを設置するためのお金が余計にかかることになります。また、再度引っ越しする際はエアコンを片づける必要があり、取りはずしのためのお金もかかります。

 賃貸入居時に支払う「敷金・礼金・更新料」にも差があります。関東では、ワンルームなどの小さな部屋は敷金・礼金ともにゼロの物件が増えてきていて、ファミリータイプであれば敷金1~2か月分、礼金1か月分ほどを支払うことが多いです。関東圏の更新料は、2年ごとに概ね家賃1~1.5か月分としているところが多く見受けられます。

 関西では、昔からの慣例で礼金を2か月程度、敷金を1か月程度支払うのが平均的です。しかし、敷金・礼金ではなく「保証金」制を採用する物件があり、その場合は4~7か月分のお金が必要になることもあります。ちなみに、関東ではときどきしか聞かない「敷引き」「償却」というシステムも。これは、部屋から退去する際に敷金を返さなくてもいいという契約で、保証金から敷引き分の金額が引かれます。更新料徴収の習慣がない地域も多いため、敷金などの費用は関東より安いと思われがちですが、一概には言えないようです。

 もちろん、今お話ししたことがすべてに当てはまるわけではありません。しかし、こうした“違い”をよく調べて理解してから契約しないと、思っていた以上に転居費用が高くついてしまうこともあります。関東から関西に引っ越しする場合は注意してください。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。