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アボカドが硬かったらどうする? 追熟を早める方法や食べ頃を見極めるコツを聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

アボカドを切ったら硬いことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
アボカドを切ったら硬いことも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 クリーミーで濃厚な味わいが人気のアボカド。しかし、食べ頃の見極めが難しく、食べようとして切ってみたら硬かったという経験もあるでしょう。硬いアボカドは、そのまま食べても問題ないのでしょうか。また、おいしく食べるコツとは? アボカドの追熟を早める保存のコツや食べ頃の見極めポイントなどについて、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

切ってしまったら追熟は難しい レンチンでディップに

 アボカドは日本の食卓にもなじみがあり、サラダやサンドイッチ、寿司の具材など、幅広い料理で使われています。“森のバター”といわれるほど栄養価が高く、良質な脂質が含まれているのが特徴です。このほか、抗酸化作用が高いビタミンEや、むくみ解消に効果的なカリウムも豊富。さらに、ビタミンB1やビタミンB2も含まれています。

――アボカドを切ってみたら硬かったということがあります。もう追熟はできないのでしょうか?

和漢さん(以下同)「アボカドを切った段階で、ポリフェノールオキシダーゼという酵素が酸素に触れるため、酸化が始まり変色します。切ったら、変色を防ぐためにレモン汁や塩水をかけて冷蔵保存することが望ましいでしょう。一方で、アボカドの追熟には15度以上の温度が必要で、常温保存となります。このため、切ったアボカドの追熟は諦めて、加熱しておいしく食べたほうが良いでしょう」

――切って硬かった場合、そのまま生で食べても問題ないでしょうか?

「問題はありませんが、アボカド特有のクリーミーな食感はなく、おいしいとは言えません。硬いアボカドを食べる場合は、まず加熱しましょう。ディップにして、いろいろな料理に活用して食べられますよ。電子レンジで温めてつぶして、レモン汁、マヨネーズと塩コショウを混ぜ合わせます。そのまま食べてもおいしいですが、パンやクラッカーにのせても美味。サラダ、豆腐、卵、ジャガイモなどにも合います。ホクホク食感が楽しめる素揚げもおいしいですが、カロリーが気になる人にはおすすめできません」

おいしいアボカドの見極めポイントとは?

リンゴと一緒に保存すると追熟が進む(写真はイメージ)【写真:写真AC】
リンゴと一緒に保存すると追熟が進む(写真はイメージ)【写真:写真AC】

――買ってきたものの硬い場合は、どのような保存方法が良いでしょうか?

「日光が当たらない風通しの良い場所で、常温保存しながら追熟させましょう。早く追熟させたい場合は、成長を促す植物ホルモンであるエチレンガスを多く放出するリンゴと一緒に、ビニール袋へ入れると良いでしょう。リンゴが手に入りにくい季節なら、バナナでと一緒に保存するのも良いですよ」

――おいしいアボカドの選び方や見極めのポイントは?

「皮の色は黒と緑の中間ぐらいで、ツヤとハリがあるものを選ぶと良いでしょう。食べ頃の見極めは、皮が黒く、手に持ったときにやや弾力を感じる程度が目安です。やわらかすぎるものや、ヘタと皮の間に隙間があるものは熟しすぎで、果肉も黒くなっていることが多いでしょう」

――アボカドの皮が簡単にむける上手な切り方はありますか?

「まず、種のあたりまで縦に一周、包丁で切り込みを入れます。その後、両手でアボカドを持ち、ひねって2つに分けます。どちらかに種が残るので、種に包丁の刃元を刺して、果肉からはずしましょう。皮は手でむきますが、熟していれば簡単にむけますよ」

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾