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日本で人気のフランス人YouTuber 日本文化で驚いたこととは 生卵も初体験
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フランスから来日して7年のオレリアン・プダさんは、チャンネル登録者数30万人以上の「Bebechanチャンネル」を運営する人気YouTuberです。「日本のフランス人」として、独自の視点から日本での日常を紹介する内容が注目され、登録者数の97%が日本人だそう。日本人に愛されるオレリアンさんへのインタビュー連載最終回は、日本文化で衝撃を受けたことについて伺いました。
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ホテルの朝食で出てきた生卵は間違いだと思った
「Bebechanチャンネル」では、日本ならではの食文化も数多く紹介されています。トンカツやお寿司、ラーメンも大好きというオレリアンさんですが、来日直後、宿泊した空港近くのホテルで出てきた朝食に驚いた経験があるそうです。
「ごはんやおみそ汁と一緒に卵が出てきたんです。ゆで卵かと思って殻を割って食べようと思ったら、生卵でした。『え、(ホテルが)間違っちゃったのかな……?』と思って、そのときはそのままにして食べませんでした」
フランスに生卵を食べる文化はなく、「卵かけごはんにして食べるなんて知らなかった」とオレリアンさん。その後、友人が連れていってくれたすき焼き店で生卵を食べる文化を知り、ホテルで生卵が出てきたのは間違いではなかったのだと理解したそうです。
日本食好きのオレリアンさんですが、納豆は唯一の苦手食材。それでも「体にはいいから食べられたらいいなぁと思います」と、前向きな姿勢を見せています。
最近のお気に入りはショウガ焼き。家でも作るそうで、食材をふるさと納税で取り寄せることもあるのだとか。「フランスにはない仕組みです。いろんな地方の新鮮なものが食べられる。そして何より、収めた税金をどのように使ってほしいかも自分で選べる。素晴らしいです」
オレリアンさんがふるさと納税を選んでいる動画が見られる日も、近いかもしれません。
日本ならではの建前と本音に四苦八苦
幼少からゲームやアニメで日本を身近に感じ、大好きな日本に住むことが叶ったオレリアンさん。今でこそ理解できるものの、来日した直後は理解しがたいことも多くあったようです。なかでも、日本人ならではの表現はわかりづらかったそう。
「日本は文化と言語がつながっていると感じます。たとえば、本音と建前。僕が提案したものに対して意見を聞くと、『うん、まあ、いいんだけど、ちょっと……』と言われたんですが、僕からすると『ちょっと……』のあとは何? いいのか悪いのかがわからなかったんです。だから、『日本人は本当は何を考えているの? どう考えているの?』と感じることがありました」
相手を傷付けまいと思いやるあまり、あいまいな言葉、遠回しな表現を選びがちな日本人。ただ、こうしたところも今では十分わかっているそうで、奥ゆかしい日本ならではの美徳で「侘び寂び」に感じるといいます。
「もしこの国を好きじゃないなって思ったら、それはまだその国の文化を理解していないだけなんじゃないかと思います。今、僕に好きじゃない日本の文化はない。『好きか、嫌いか』ではなくて『好きか、その文化をわかってないか』のどちらかだと思います」
母国・フランスを離れ、文化も言語も異なる日本でYouTuberとして成功を収めているオレリアンさん。昨年から日本語の勉強を本格的に始め、それまで英語だった妻・ことみさんとの会話も日本語に変わってきているそう。より日本への理解を深めているオレリアンさんの発信によって、日本について再発見や再認識をする日本人も多いのではないでしょうか。
フランス・ニース出身の34歳。2016年に来日。2018年から「Bebechanチャンネル」を妻・ことみさんとスタートしたが、一時休止。2020年からひとりで同チャンネルをリスタート。現在は登録者数32.3万人。
(Hint-Pot編集部)