どうぶつ
元競走馬の母に甘える仔馬 貴重な親子の時間にほっこり 「人間の母子でも“あるある”」
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動物の親子がじゃれ合う姿を見ると、思わずほっこりしてしまいますよね。数多くの引退馬が過ごす「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」(北海道日高町)の公式ツイッターアカウント(@Versailles_Farm)では、晴れ空の下でまったりと過ごす母馬に「ママ、遊ぼうよ」と言わんばかりにじゃれつく仔馬の姿を公開。まるで人間の親子のような会話が聞こえてきそうな2頭に、注目が集まっています。撮影した同ファームの岩崎崇文さんにお話を伺いました。
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放牧地でうとうとする母馬にじゃれつく仔馬
母馬の名前はビクトリーローズ。仔馬の名前はまだ決まっていませんが、元競争馬のエタリオウを父に持つ牝馬(ひんば)です。
気持ち良さそうな日差しのもと、放牧地で体を休めるビクトリーローズと、前脚を使ってちょっかいを出す仔馬。「まだ眠いのよ」と言いたげなビクトリーローズですが、かわいい我が子に体を揺さぶられてまんざらでもない様子です。
仔馬はまだ離乳前。ママにじゃれついたのは、もしかしたらお乳をせがんでいたのかもしれません。岩崎さんによると、競走馬の親子がこのようにじゃれ合うのは珍しいことだそう。
「仔馬がじゃれついたのは、『おっぱい飲ませてアピール』だと思います。仔馬はまだ生後2か月で、ここで生まれました。おとなしくもなく、どちらかといえば親のほうが気難しいです。ほかの親子ではなかなか見られない姿なので、人気がありますね。ここまでべったりなのは、生後2~3か月の間まででしょう。それ以降になると、だんだん離れていってしまうんです」
親子のほっこりする動画と写真がツイッター上で公開されると、4000件を超える“いいね”が。リプライ(返信)には「人間の母子でも“あるある”」「ママはお疲れですね」「かわいい!」などの声があふれました。
離乳後は競走馬としてのトレーニングへ 親子の様子が見られるのもあとわずか
ビクトリーローズは、地方競馬の門別、大井で33戦を走り切りました。仔馬の父・エタリオウはJRAで1勝。日本ダービー4着、菊花賞2着などの成績を残し、「最強の1勝馬」として名を馳せました。
名競走馬の親子が過ごす北海道も、少しずつ気温が上がってきました。とはいえ、本州と比べるとまだまだ肌寒く、平均気温は19度ほどだそうです。仔馬は午前5時頃に放牧地へ出て、午後3時頃に集牧。広大な地で目一杯、体を動かしています。
仔馬は、来年の秋頃(1歳の秋頃)までは同ファームで過ごすそう。今しか見られない貴重な親子の姿を見るために、たくさんのファンが足を運んでいます。
「親子の寄り添う姿を見るのは今がいい機会だと思います。ゴールデンウィークの来場者は2000人を超えました」
離乳した仔馬は、競走馬としてのトレーニングを徐々にスタートさせます。今しか見ることができない仲睦まじい親子の様子を、静かに見守りたいですね。
(Hint-Pot編集部)