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マイクロチップの古い情報から執念の捜索 猫と飼い主を11年ぶりの再会へ導いた動物管理局職員 米国で話題に
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世界的に広く普及している、ペットへのマイクロチップ装着。万が一、脱走などで離ればなれになってしまった場合も、チップのデータを読み込むことで飼い主の元へ戻すことができます。ところが、登録データが古いままだとそうはいかないことも……。米国では、動物管理局職員のおかげで、迷い猫と飼い主が11年ぶりに再会した奇跡の物語が話題になっています。その執念の調査とは。
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迷い猫に装着されたマイクロチップを調べるも…
米フロリダ州に住むある家族の元に先日、信じられないような連絡が入りました。それは、11年もの間行方不明だった愛猫が見つかったというもの。米誌「ピープル」が報じています。
同州ジャクソンビルの動物保護局(ACPS)の公式フェイスブックで公開された投稿によると、同局は13歳の猫「デレク」が保護されたという連絡を受けたそう。
ACPSに勤めるアルフレッドソンさんは、デレクがマイクロチップを装着していることにすぐ気がついたそうです。さっそく専用のリーダーで情報を読み取りましたが、残念ながらチップの登録情報と連絡先に誤りがあり、飼い主の特定にはつながりませんでした。
しかし、ACPSの職員はマイクロチップを調査する際に、利用可能なすべてのリソースを活用できるように訓練されています。アルフレッドソンさんはまず、マイクロチップの埋め込みを行った団体に確認を取ることにしました。
住所から新たな電話番号を割り出すことに
デレクのマイクロチップを埋め込んだのは、ジャクソンビルのアニマルシェルターでした。そこで、同団体に連絡し、2010年にデレクを引き取った飼い主の情報を提供してもらうことに。
ところが、またも問題が発生します。団体から教えられた飼い主の電話番号は、すでに使われていませんでした。アルフレッドソンさんは、古い電話番号とともに提供された住所から、新たな電話番号を探し当てることに。
調査の結果、新しい電話番号はわかりましたが、それが本当にデレクの飼い主のものか、その時点では判断がつきませんでした。それでも、アルフレッドソンさんは希望を捨てません。割り出した番号に電話をかけ、デレクを保護していることや引き取り先を伝えるメッセージを残したのです。
数時間後、アンジェラという女性がデレクのいるシェルターに現れました。そして、もう二度と会えないと思っていたというデレクと再会を果たしたのです。
登録情報に変更があった場合は速やかに更新を
フェイスブックの投稿には「ベビーのマイクロチップは、常に最新の状態に保つ必要がありますね」「飼い主を見つける素晴らしい仕事ぶり!!」「心温まるお話ですね!! 子猫の飼い主探しを諦めなかった管理局員のおかげだ。泣けました」など、感動の声が数多く寄せられています。
アンジェラさんはその後、投稿のコメント欄でデレクの近況を報告しています。
「デレクはとても元気で、もう一匹の猫『セドリック』と仲良く暮らしています。私たちはとても幸せで、彼が戻ってきたことを信じられないほど幸運に感じています」
さらに、迎えたばかりの頃のデレクと息子さんの幼いツーショットと、11年ぶりに再会した日の並んだ姿を添付しました。“ふたり”とも年を取り、見た目も少し変わっていますが、変わらぬ愛があることが伝わってきます。
日本では、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫のマイクロチップ装着が義務化されて1年が経過しました。マイクロチップはもしものとき、愛犬や愛猫を特定する手がかりになります。
もし飼育者が代わったり、飼育者の住所・連絡先が変更されたりした場合は、速やかに登録者情報を変更しましょう。
(Hint-Pot編集部)