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子どもはどうすればいいのか…学童保育に“夏休みの壁” 申し込み相次ぎ落選 専門家が指摘する課題

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・水沼 一夫

「小1の壁」に影響 「夏休みだけ申し込んでも入れない可能性が高い」

 需要は把握していても、予算がなければ事業者も運営はできません。利用者が月謝などで実費負担する「民間学童」もありますが、費用は高額になる傾向です。

 そのため、「本当は夏休みだけでいいのですが、夏休みだけ申し込んでも入れない可能性が高いので、4月から学童に申し込む親もいらっしゃいます」と、4月の申し込みの激化にもつながっているといいます。

 萩原さんによると、今後、学童を利用する家庭は増え続ける見込みだそうです。

「世帯所得がなかなか伸びず、いろいろなものが値上がりするなかで、家計が苦しく必然的に共働きになっています。しかも比較的、長い時間働きたい。そうじゃないと生活ができないという世帯が増えていることが理由のひとつです」

 また、近年では地震や災害、子どもを狙う犯罪への不安から、学童を利用する家庭が増加。夏休みなどの長期休暇は、家でゲーム三昧ということを心配する親も多く、「相乗効果で、学童のニーズは近年ずっと増えているのが現状」と続けました。

 受け皿が限られるなかで夏休みに子どもを預けられなかった場合、長期休暇をどう乗り越えていけばいいのでしょうか。萩原さんは「今から個人の方が自助で夏休みをどう過ごそうかとなった場合、正直なところなかなか思いつかないです」と前置きしつつ、2つの方法を提案しました。

「もしあるとすれば、同じような境遇の人たちで集まって何かを始めることですね。たとえば、みんなで図書館や児童館に行くことを模索する。実はそれが学童保育のもともとのスタートでもありました。あとはもう、自治体や行政になんとか対処してもらえるよう願うしかないですね。市議会、町議会も含めて善処を訴えるという活動をして、今年は間に合わなかったけれど、来年も同じような人を出さないようにするために何か動いていくことしか、実際はできないかと思います」

 前出の男性は、「(国は)共働きを推奨している割に、その周りの体制がおろそかだと思う。希望者は全員受け入れ可能な体制を整えてほしい。学童で対応してくださっている方々には感謝しています」と話し、早期の支援と学童の拡充を求めました。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・水沼 一夫)