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旅行前に知っておきたい海外のトイレ事情 日本の設備はとはかけ離れた点がたくさん
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日本に住んでいると、山登りやキャンプなどではない限り、トイレで困ることは少ないでしょう。外国人旅行客からも絶賛されることの多い日本のトイレですが、逆に海外渡航した日本人がトイレで困惑する場面は多いのでは? 世界50か国以上を旅した元添乗員で、旅アドバイザー&トラベルライターとして活躍するAnaさんによるこの連載。第4回は、驚きが多い海外のトイレ事情についてです。
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海外のトイレは不便極まりなし
海外に行って、日本の良さを思い知らされることのひとつがトイレです。「え! そこ!?」と思う人もいるかもしれませんが、添乗員という仕事柄、トイレ問題は切実。日本でトイレに困るシーンは、山登りなど自然相手のタイミングでもない限りそうそうないと思いますが、日本に比べると海外のトイレ事情は本当に不便です。
そのため、行程中いつトイレに行けるのか、次のトイレまではどれくらいかかるのか、無料のトイレはどこにあるのか、どういうところなら使いやすいのか……あらかじめ把握して、お客様に案内することは超重要事項だったのです。
とくにトイレ事情が良くないヨーロッパ
フランスやイタリアなどヨーロッパのメジャーな観光国は、先進国であるにもかかわらず全般的にトイレに対する優先順位が低いと感じます。米国やカナダなどは、個室の扉の下がかなり空いていることを除けばそれなりに小ぎれいで、さほど不自由することもありません。公共施設やデパート、ショッピングセンターには必ずありますし、全部とは言わないまでも駅に設置してあることもあり、基本的にどこでも無料で使えます。
ところが、ヨーロッパにはそれがありません。フランス・パリなどの中心地であれば、昔に比べるとトイレを設置しているところも増えてきていますが、それでもやはり日本の感覚からしたら相当不便だと思います。まれに「Pubic Toilet」という公衆トイレがありますが、使うのをためらうくらいかなり汚いです。
まず駅にトイレはありません。観光地でも「あ! トイレの看板があった!」と喜んで行くと、当たり前のように有料であることも。トイレには「トイレチップ」が必要で、デパートやショッピングモールであっても0.5~1.5ユーロなど有料なところが多いです。
例えば、入り口にバーやドアが付いていてお金を入れないと入れない仕組みになっていたり、入り口で常に人がスタンバイしていてお金を払わないと入れてくれなったりするところも。
また、お金を渡してトイレットペーパーをもらってから入ったり、スタッフにパスワードを聞くか、購入したレシートに印字されている番号をもらってパスワード入力しないと使えなかったり(主にファストフード店やカフェ)と、とにかくさまざまな形態があります。おそらくは防犯上の理由で仕方がないのですが、とても不便です。