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犬が苦手な女性が殺処分寸前の大型犬を救出 お迎え後の大病乗り越え再発進した家族に米国で感動
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殺処分寸前だったジャーマンシェパードの命を2度も救った家族に、米国で称賛が集まっています。死産で娘を失い、悲しみのどん底にいた女性がたまたま見かけた1件のSNS投稿。それをきっかけに女性はある決断をしますが、家族には試練が待ち受けていました。愛の力で乗り越えた感動の物語です。
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引き取り手がおらず30分後に殺処分 急いでお迎えに行った女性
奇跡の出会いで1匹のジャーマンシェパードの命を救ったのは、米カリフォルニア州在住のトリッシュ・バウアーさんとその家族でした。実は、犬に対して恐怖心があったというトリッシュさん。しかし、インスタグラムで偶然見かけた写真から目が離せなくなってしまいました。そこには、「僕は冷たいコンクリートの床で明日死にます」というショッキングなメッセージが添えられ、12歳のジャーマンシェパードが写っていたのです。
「疲れ切った目をして、もう命を諦め切っていました。その目に私はすごく共感できたのです。昨年2月に死産で娘を失いどん底だった私も、彼と同じ目をしていたと思うので」
トリッシュさんは、米朝の情報番組「グッドモーニング・アメリカ」のウェブ版に対し、そのときの心境をそう語っています。引き取り希望者のコメントが殺到するなか、トリッシュさんは投稿欄に引き取りたい理由を記して、その日は眠りについたそうです。すると翌朝、施設からダイレクトメッセージが届きました。それは「引き取り手がないので、彼は30分後に殺処分になります。もしも迎えに来なければ、それまでです」という内容でした。
トリッシュさんは10歳の娘リリーちゃんを起こすと、サウスカリフォルニアにある動物保護施設へ親子で急行。そして、施設に到着すると、愛らしい大歓迎が待っていたそうです。
「巨大なジャーマンシェパードが娘の腕の中に飛び込んできて、彼女を舐め始めました。恐怖心は一気に消え去りました。彼も『僕は今日死ななくていいんだ』という喜びようでした」
首に腫瘍が! 手術をするために家族で体力づくり
「クーパー」と名付けられた犬のおかげで、どん底だった家族は明るさを取り戻しました。こうして幸せいっぱいの生活が無事に始まりましたが、すぐに試練が訪れます。家族がクーパーの健康状態を確認するため動物病院に連れていったところ、なんと首に腫瘍ができているとわかったのです。
手術が必要でしたが、「問題はクーパーが手術できるほど健康ではなかったことなんです」とトリッシュさん。獣医師は6週間以内に手術についての判断をバウアー家に求めました。手術以外の選択肢は、愛犬の死を意味することだったそうです。
「私たち家族の使命は、この犬を健康にすること。リリーはがんの克服者でもあります。だから、この戦いを私たちは熟知しているのです」
クーパーを手術可能な体調にするため、家族でビーチや山でのハイキングに連れていきました。そして3週間後、クーパーは手術可能なコンディションに。手術は大成功し、病院で待っていたトリッシュさんの夫はクーパーを迎え入れると号泣したそうです。
病魔を克服したクーパーは3月、正式に家族の一員になりました。それは死産で天国に旅立った娘さんの一周忌でもあります。ちなみにトリッシュさんは、クーパーを迎え入れた1週間後に再び妊娠がわかったそう。
「この犬が私たちの人生を一変させてくれたんです。たくさんの恩を感じています」
命を2度救った愛犬からたくさんの幸せを受け取った家族の物語は話題になり、ツイッター上では「なんて美しい話でしょう」「ああ、クーパー。あなたに心を盗まれました」「ヒーローだわ」など、感動の声が上がっています。
(Hint-Pot編集部)