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厄介な「夏の結露」 発生しやすい場所とは 建材や家族の健康に影響を与えることも
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窓の結露というと、冬の風物詩と思いがちですが、湿度が高くじめじめと蒸し暑い夏にも発生します。結露を放っておくとサッシに水が溜まり、カビの原因になることも。夏の結露ができる理由や、冬の結露との違いはなんなのでしょうか。リフォーム専業店「中沢硝子建窓」の中沢仁郎さんと、窓メーカー「YKK AP」の担当者さんにお話を伺いました。
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湿度の高い夏は窓の外側に結露が発生することも
「窓の結露って言うけれど、それって冬の話でしょ?」――そう思った方も多いことでしょう。中沢硝子建窓の中沢仁郎さんによると、よりやっかいなのは「夏の結露」だといいます。
冬場の結露は、寒い外気で冷やされた窓に暖かい室内の空気が触れて、空気中の水蒸気が水に変わり室内側に結露が発生。一方、夏はその逆で、エアコンで冷やされた涼しい室内の空気が30度を超える暑い外気を冷やし、窓の外側に結露が発生します。
「外側に結露が付くなら問題ないのでは? と思われるかもしれませんが、これは大間違い。結露が窓のサッシに溜まったり、外壁や家具などに染み込んだりして、私たちの目に付かない場所でカビを発生させてしまうのです」(中沢さん)
室内に発生する冬場の結露は気づきやすいですが、夏の結露は気がつきにくい分、厄介です。カビは空気中に存在しており、繁殖しやすい環境が整っていれば、たとえ壁の中であっても繁殖します。
夏場のように湿度が80%を超える時期は、2週間もあれば大繁殖。その後、数年にわたって胞子を出し続けるというから驚きです。
「夏の結露は、知らず知らずのうちに壁や床材に影響を与えます。これを対策せず放っておいてしまうと、家族の健康を脅かすのみならず、家そのものの劣化を早める結果にもつながるでしょう。家の寿命を短くしたり、家そのものの価値を下げたりしてしまわないためにも、一年を通し結露対策を行うことが大切です」(中沢さん)
カビというと、風通しが悪く、湿気がこもりやすい場所に発生するイメージが強いだけに驚きです。しかも、カビは家だけでなく、家族の健康にも影響を与える可能性があるそう。
「アルミサッシで単板ガラスの窓など、結露が発生しやすい窓もあります。長時間濡れたままの状態で放っておいてしまうと、温度・湿度の条件によってはカビが発生しやすくなることも。このカビを栄養にしてダニが繁殖してしまうこともあり、カビの胞子やダニのフン・死骸は、喘息などアレルギーを発症する原因につながることが考えられます」(YKK AP)
夏の結露対策は換気と断熱が大切
では、結露はどのように対策すればいいのでしょうか。
まず大切なのは、換気です。夏場であっても窓を定期的に開けて風を通し、できるだけ空気を入れ替えるようにしましょう。窓の外側やサッシをまめに点検し、水が溜まっていないか確認することも大切です。
室内の温度を下げすぎないようにすることも、結露の発生を防ぐことにつながります。しかし、暑い日に冷房を止めると熱中症のリスクが高まってしまうので要注意。環境省による室温目安を基準に、室温が28度程度になるよう調節するといいでしょう。
また、知らず知らずのうちに窓の結露が発生するのを防ぐには、窓そのものを変えるのも有効な手段です。
「窓ガラスを二重にしたり、アルミのフレームを樹脂製のものに替えたりするだけで、夏冬の結露を大きく減らすことができます。また、窓から断熱することは冬場の住環境の改善にも。部屋の気温が急激に下がることも防げるので、冬場のヒートショックを防ぐことができるのです」(中沢さん)
見落としがちな、夏に発生する窓の結露。気温が高い日は窓の外側をチェックすることもお忘れなく!
(和栗 恵)