どうぶつ
未来の競走馬に新種? まるでアフロのようなたてがみに注目 仲良しな幼なじみの姿も
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たてがみがアフロの新種を発見!? 北海道洞爺湖町にあるレイクヴィラファームの公式ツイッターアカウント(@villa_lake)で、たてがみがアフロヘアの仔馬が公開されました。競走馬のセリで盛況だったことを受け、同牧場は落札御礼と振り返りを兼ねて写真をアップ。アフロヘアになっているのは、そのなかに写っている“デリケートアーチの22”と呼ばれる仔馬です。これにはほっこりとする秘密があるのだとか。同ファームの的野裕紀子さんにお話を伺いました。
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母馬の抜けたたてがみでアフロ姿に 穏やかな性格が持ち味
おすまし顔の仔馬。さらさらなはずのたてがみが、もじゃもじゃです。過去に例のないアフロヘアを持つ新種かと思わせますが、実はこれ、母馬を手入れしている際に抜けたたてがみをまとめて仔馬の頭にのせたため、このような姿になったそう。写真が添付されたのは、セリで落札されたことに感謝するツイートです。
母の名前はデリケートアーチ。その仔は牝(メス)で名前がまだなく、2022年に生んだ仔という意味で“デリケートアーチの22”と呼ばれています。写真を撮影した当時、仔馬はまだ0歳(編集部注:競馬では「当歳」)。すべてが新鮮であり、慣れないことは怖がる年代です。
レイクヴィラファームの的野さんは「母の手入れで抜けたものをまとめてのっけてみたら、いい表情だったので」と、そのときを振り返ります。「当歳は頭を触られることなどに慣れておらず、イヤイヤして落とすはずなのですが、この仔は意外と大丈夫でしたね」と的野さん。穏やかな性格は、この頃から培われていたのかもしれません。
この仔と仲良しだったのが、同じレイクヴィラファームで生産された“ロゼリーナの22”(牝)です。毛色は同じ栗毛。成長すると徐々に違ってくることが通例のようですが、とくにこの2頭はほぼ同じ色でした。
的野さんは「放牧から戻すときに、よく確認しないと間違えそうになりました。額にちょっと白い部分があるのが、“ロゼリーナの22”なので、見分けるポイントはそこです」と教えてくれました。
仲良しの2頭は見事落札 今後はトレーニングの日々へ
「母から離れるのは、牡馬(オス)よりも牝馬のほうが早いのですが、この2頭は本当に仲良しだったので、より母離れは早かったです」
いつまでもママのことを追いかけるのは、人間でも男の子ばかりともいわれます。女の子のほうがある種さっぱりしているのは、共通のようです。
7月10日~11日に北海道苫小牧市の「ノーザンホースパーク」で行われた競走馬のセリ「セレクトセール」では、2頭ともに1歳馬になって上場。見事、2頭ともに落札され、競走馬としてのオーナーが決まりました。セリの約1か月半前には会場で過ごすため、仲良しの2頭は別々に過ごしています。
このあとも、競走馬としてデビューするため、生まれ故郷のレイクヴィラファームには戻らずトレーニングを行います。仲良しが合流するのはなかなか難しいですが、これも競走馬の宿命なのです。
“デリケートアーチの22”が競馬場で競走馬としてデビューするのは、順調にいけば来年です。そのときには馬名も決まっているでしょう。JRA(日本中央競馬会)のウェブサイトなどで「父ルヴァンスレーヴ、母デリケートアーチ」という馬を見つけたら、それがアフロが話題になった“デリケートアーチの22”です。その頃には、立派なお姉さんになっているのは間違いありません。楽しみに待ちたいですね。
(Hint-Pot編集部)