漫画
忘れられない保健の授業 思い出を描いた漫画が恩師に届き話題に 「もらい泣きした」
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学生時代を振り返ったとき、記憶に印象深く残っている先生はいますか? ツイッター上では、学生時代に出会った先生との思い出を漫画に描いたことがきっかけで、先生本人にも読んでもらうことになったというエピソードが話題に。1.5万件以上もの“いいね”を集めた作品について、作者の枇杷かな子(@BiwaAmazake)さんに詳しいお話を伺いました。
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SNSに投稿した漫画がきっかけに 高校時代に反発心を抱いていた恩師との縁が復活
子どもの頃の思い出など、さまざまなエピソードを優しいタッチで漫画に描く枇杷さん。彼氏(現在の夫)との出会いで自身が変化していく様子を綴ったコミックエッセイ「アゴが出ている私が彼氏に救われるまで」(KADOKAWA刊)は人気を博しています。ほかにも、祖母とのハートフルな思い出を描いた漫画を自身のブログやインスタグラム(kanakobiwa)で公開しています。
今回話題になったのは、学生時代のある先生との思い出を描いたことをきっかけに、思わぬ縁から先生本人に漫画を読んでもらったという作品です。
枇杷さんには、とても印象に残っている高校時代の恩師がいます。それはT先生という女性教師。T先生は身だしなみに対するチェックも厳しく、枇杷さんは暑苦しいと感じていたそうです。
しかし、ある保健の授業でその考えは一変します。先生は避妊具の使い方をメスシリンダーを使って説明し、生徒たちが望まない性交渉や性感染症で傷つかないよう、具体的に、そしてはっきりとした言葉で教えてくれました。当時は今よりも性教育に関する理解は進んでおらず、周囲の目も厳しかったことでしょう。枇杷さんは、そのときの思い出を描いた漫画をSNSに投稿しました。
するとツイッターで3万件を超える”いいね”が集まる大反響に。そして後日、枇杷さんのもとに1通のメールが届きます。送信主は同級生のRさんで、今でもT先生との交流があると綴られていました。さらに、あと数年で定年を迎えるというT先生に、枇杷さんの漫画を読んでもらうことを提案します。
「(T先生に)このエピソードを読んでもらったら、きっと喜んでくれると思います」とRさんに背中を押されるも、当時の率直な思いやT先生への反発心を描いていたこともあり、枇杷さんは先生に喜んでもらえるか不安に。しかし、Rさんの思いや優しい言葉に心を動かされ、漫画を見てもらうことを約束します。
T先生への連絡から数日後、返信が届きました。そこには、感謝の言葉とともに漫画を読んだ感想が。それを見た枇杷さんは、思わず涙してしまうのでした。
この漫画が3つのツイートにわたって投稿されると、合計で1.5万件以上の“いいね”が。リプライ(返信)には「もらい泣きしてうるうるしちゃったよ」「いい話すぎて泣いた」「気持ちが伝わるって素敵ですね」「地下鉄の中で泣いてしまった」「じんわり心が温かくなりました」など、感動の声が続出しました。
「恥ずかしさもあったのですが、ありがたい気持ちが大きくて描きたいと思いました」
多くの人を感動させた枇杷さんの作品。T先生との思い出やRさんの反応など、詳しいお話を伺いました。
Q. 今回の漫画を描いた理由を教えてください。
「先生に漫画を読んでもらえる機会をいただけて、恥ずかしさもあったのですが、ありがたい気持ちが大きくて描きたいと思いました」
Q. T先生はどんな先生でしたか?
「元気で明るい先生でした。私にとっては校則チェックが印象的でしたが、今思えば親身になってくださる素敵な先生です」
Q. 印象に残っているT先生の授業を教えてください。
「保健の授業も印象的ですが、創作ダンスの授業のとき、グループに分かれてダンスを発表したことも心に残っています。どのグループのこともとても褒めてくださって、うれしかったですね」
Q. Rさんは漫画を読んでどのような反応をしていましたか?
「とても喜んでくれました。当時はクラスが別でほとんど話したこともないのですが、これをきっかけになにげないやりとりもできるようになってうれしいです」
(Hint-Pot編集部)