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「チャメ」って何? 今、日本で売れている韓国産フルーツとは
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あのゲームが人気のきっかけに? 日本でチャメを探してみた
それにしてもなぜ、チャメの売り上げが日本でぐんぐん伸びているのでしょうか?
Qoo10の担当者に聞くと、「Nintendo Switch専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)にチャメが登場して人気になったそうです」という答えが返ってきました。調べてみると、前出の韓国農水産食品流通公社が「あつ森」上に韓国グルメや韓国食材を楽しめる「K-FOOD島(ケイフードじま)」を開設していたことが判明。同公社のPR戦略という一面があるようです。
また、もうひとつの理由は「米国のホールセールクラブチェーン・コストコの日本国内店舗がチャメの取り扱いを始めたこと」といいます。こちらもチャメの人気に良い影響を与えているようです。
そこで、さっそく神奈川県川崎市内のコストコに出かけてみました。倉庫を改造した広大な店舗内の奥のほうにフルーツコーナーがあり、スイカやオレンジ、プラム、バナナ、桃やキウイフルーツなどが大量に積まれています。そんな“フルーツの森”を探検してみましたが、チャメは見当たりません。スタッフに聞いてみると、7月中旬に売り切れとなり、残念ながら再入荷の予定はないそうです。やはり、かなりの人気商品のようです。
それならばと、今度は東京・新大久保のコリアンタウンに出かけました。職安通りにある韓国系スーパーマーケット「韓国広場」を訪れると、店頭に「星州チャメ 絶賛販売中」の垂れ幕があり、店内のフルーツコーナーには1袋4~5個入りのチャメが1296円(税込)で販売されていました。近くの「Yes mart」でも1個427円(税込)で棚に並んでいました。韓国人の夏には、やはり欠かせないフルーツのようです。
チャメはどう食べるのがおいしい?
韓国ドラマにもたびたび登場するチャメ。現地の人による食べ方の特徴は、種をそのまま食べること。縦に切るとメロンのようなワタと種が見えますが、種はメロンに比べて小さく甘みがたっぷりと感じられるため、韓国ではそのまま食べてしまう人が多いそうです。
また、種には血圧を下げる効果があるとされるGABA(ギャバ)が含まれています。どうしても種が苦手という人は、ミキサーにチャメの乱切りとハチミツ(オリゴ糖)、氷を入れてかき混ぜ、スムージーにすると、種を気にせず栄養を摂取することができます。
チャメは6月に出荷量が増え、7月からお盆にかけてがピーク。チャメの出荷が終わる頃には、夏も過ぎていきます。メロンの仲間ながら梨のようなさっぱりとした食感が楽しめるチャメは、そのまま食べるだけではなく、かき氷のトッピングやサンドイッチ、サラダや冷麺の具材などさまざまな料理に使えるのだとか。チャメという音の響きも、日本語の「おちゃめ」に似ていてかわいらしく、夏の思い出として心に残るフルーツと言えそうです。
(鄭 孝俊)
鄭 孝俊(てい・こうしゅん)
元全国紙記者。在職中に東京大学大学院に入学し、仕事の傍ら研究生活に入る。文化人類学やメディア論に関心を持ち、韓国エンターテインメントとファン行動について論文を執筆。専攻は日韓メディア比較論。日本や韓国だけではなく、東南アジアの伝統芸能や食生活にも関心を寄せている。