Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

携帯扇風機が原因で熱中症になる人が増加 使用時に注意すべき点とは 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

猛暑で需要が高まっている携帯扇風機。使用には十分な注意を(写真はイメージ)【写真:写真AC】
猛暑で需要が高まっている携帯扇風機。使用には十分な注意を(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 猛暑の影響で需要が拡大している携帯扇風機。デザインにこだわったものも多く、首にかけるハンズフリータイプやLEDを搭載したものなどおしゃれな見た目のものが続々と登場し、街中で使っている人をよく見かけるようになりました。しかし、熱中症対策として使用しているにもかかわらず、使い方を誤ると逆に熱中症を引き起こす一因となる場合も。携帯扇風機の危険な使い方について、内科医の佐藤留美医師にお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

体温調節ができず体に熱がこもりやすくなるので注意を

 携帯扇風機の使用によって、熱中症になった患者さんを診察したことがありますし、実際にそういった患者さんは増えていると感じています。携帯扇風機は暑さ対策のはずですが、なぜなのでしょうか。その要因は、大きく2つあります。

 ひとつは、体温調節に必要な汗を乾かしてしまうため。ヒトは体温が高くなると汗をかき、その汗が蒸発する際に熱が奪われ(気化熱)、体温が高くなりすぎないように保ちます。

 ところが、携帯扇風機を当て続けていると、その汗が熱を調節する前に乾いてしまい、体温が下げられなくなってしまうのです。こうして体を冷ましているつもりが、体に熱がこもってしまい熱中症になりやすくなってしまいます。

 もうひとつは、高温の風に当たり続けることで、熱が体にこもるためです。外気温が35度以上の場合、携帯扇風機を通して湿度が低く乾燥した35度の温風が体に吹き付けられます。

 携帯扇風機の風を当てる首元や脇の下には、大きな動脈が通っています。そのため、温風で温められた血液が全身をめぐり、体に熱がこもってしまうのです。

過度な使用は避け、汗の代わりに水分を上手に使って

 携帯扇風機を使用する際は、次のことに注意すると熱中症のリスクを軽減することができます。

1. 外気温が35度を超えている日は長時間の使用を控える
2. 風を当てる体の部位に水分をスプレーする
3. 速乾性に優れる生地を濡らして首に巻く
4. こまめな水分補給を心がける

 また、携帯扇風機は熱中症以外にも、目の角膜に障害を起こすおそれがあります。目に直接風が当たらないよう、首元から下向きに扇風機の風を向けましょう。さらに、過度な使用は発火の可能性もあるので気をつけてください。

(Hint-Pot編集部)