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どうぶつ

異国の地で愛猫が急逝し生活も一変 日本人記者を支えたドイツ人スタッフの言葉

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

同居猫のサツキを失い、ココロにも変化が【写真:島崎英純】
同居猫のサツキを失い、ココロにも変化が【写真:島崎英純】

 愛するペットに先立たれるのは本当につらいもの。飼い主だけでなく、一緒に暮らすほかのペットにも大きな影響を与えます。ドイツで暮らすサッカーライターの島崎英純さんは先月、2匹の愛猫のうち一匹との悲しいお別れを迎えました。その後、もう一匹の愛猫との生活にはさまざまな変化が。そのなかで触れた人の優しさで、島崎さんには改めて決意したことがありました。

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愛猫のサツキが虹の橋へ もう一匹の愛猫・ココロに変化も

 6月8日に、わずか1歳1か月で急逝した愛猫の「皐月(サツキ)」を見送り、ようやく四十九日が過ぎました。僕ともう一匹の愛猫「心(ココロ)」は今、“ふたり”きりの生活を送っています。

 サツキがいたときと比べると、やはりいくつもの変化がありました。ベッドの上に乗ってくる重さ、食事の量、トイレの掃除機会など。でも、やはり一番の変化はサツキというかけがえのない存在が僕らの家からなくなってしまったことです。

 僕が外出から戻ると、ココロとサツキはシンクロするように地べたに仰向けで寝そべってくれましたが、今はそれがココロだけに。朝方に「ごはんをちょうだい」とちょっかいを出すのもココロだけになりましたし、僕が何か言葉を発しても、愛らしい声でサツキが返事をしてくれることもなくなりました。

 また、ココロにも変化が。前と比べて甘えん坊になり、よく鳴くようになって、「ごはんをちょうだい」とか「遊んで」といった要求をすることが多くなったように思います。これまではサツキがココロの相手をしてくれていましたが、今は僕しかいないため、そのような態度をとってしまうのも無理はありません。だから今は、一日のなかで時間を決めてココロとふれあう時間を設けていますが、そのなかで先日、ある出来事がありました。

 ココロがあまりにも要求するので、何度もおもちゃで遊ばせていたところ、突如大きく口を開けてぜいぜいと息をするように。まだ1歳のココロは際限なく遊んでしまうことがあるために気をつけていたのですが、今回はその症状が顕著で、荒い息もなかなか収まりませんでした。サツキを免疫介在性溶血性貧血という難病で失ってしまった僕は、ココロも同じ病気に侵されているのではと不安になってしまいました。

「すぐに病院を受診しなくては」

 そう思った僕はココロをキャリーケースに入れて外へ出ましたが、その瞬間にサツキが難病に罹患してからの通院の日々を思い出し、かかりつけの動物病院へ向かう足が止まってしまいました。サツキの治療に全力を尽くしてくださり、とても感謝をしているのですが、今回は別の動物病院でココロを診てもらいたいと思ったのです。近所にあるほかの病院は少し距離がありましたが、それでもココロをそこへ連れていき、週末で混み合う病院の入り口にたどり着きました。