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見落としがちなチェックポイントも トラブル回避に不動産のプロが「内見」をすすめる理由とは
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
賃貸や中古売買など、不動産を手にする際に行われるのが、実際に現地を見て確認する「内見」。コロナ禍の影響もあり、オンライン動画や、あらかじめ仲介業者が撮影した写真のみで確認し、入居を決める人も増えているといいます。その反面、入居後に「イメージと違う!」といった揉め事が起こることも。東京・中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに、内見時の注意点と、トラブルを避けるために確認すべきポイントをお聞きしました。
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内見をせずに入居すると「印象が違う」などのトラブルになることも
物理的に距離が離れていて現地への訪問が難しい場合は仕方ありませんが、内見はできるだけ行いましょう。なぜ内見したほうがいいかというと、実際の物件を見ないまま入居した場合、その後にトラブルになることが多いからです。
「部屋が思っていた印象と違う」「日当たりが悪かった」など、写真や動画からイメージしていた部屋と実際が異なる場合や、「騒音が気になる」「思っていた以上に壁や床に傷があった」「下水のにおいがきつい」など、暮らしに直結する問題に直面する場合もあります。
「玄関ドアの幅やエレベーターが狭くて、家具や冷蔵庫が入らなかった」といったことも少なくありません。初めてのひとり暮らしなどで借りた部屋に合わせて家具をそろえる人なら問題ないと思いますが、すでに所有している家具を搬入するのであれば内見は必須。部屋を決める前に、ドアやエレベーターのサイズを確認したほうがいいでしょう。
また、どんなに部屋の中がおしゃれできれいに作られていても、物件の外観や周辺の環境が厳しい場合もあります。たとえば、窓を開けたら目の前が墓地だったなんてこともあり得ます。
前入居者が住んでいて内見ができない物件は大丈夫?
内見の際にぜひ確認してほしいポイントは、ゴミ置き場です。ゴミの出し方がきれいかどうかを見ると、その物件に住んでいる人の印象が推測できます。
常識やマナーに欠ける人が住んでいると、住人間のトラブルが起きやすくなるもの。平穏な生活を望むのであれば、内見時にそうした面もチェックしましょう。
ただし、前の住人が当該物件に居住中の場合は、内見できないことがあります。こうしたことは人気がある物件に多くみられるため、「内見できないからダメな物件」ということではありません。内見できないと不安に思われる人もいるようです。こればかりは、自身が納得できたら契約するようにしましょう。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。