漫画
「参考にしたい」 野良猫を保護するときにやるべきこととは? 実体験を描いた漫画に感謝の声
公開日: / 更新日:
もし、自宅の庭に猫が迷い込んできたらどうしますか? かわいそうだからという感情で保護したくなるかもしれませんが、もしかしたらどこかのおうちで飼われている猫かもしれません。野良猫を保護するときはどのようなことをすればいいのか、そのヒントが詰まった実体験漫画がX(ツイッター)上で5.6万件もの“いいね”を集めて話題になっています。作者のAKR(@bou128)さんに、詳しいお話を伺いました。
◇ ◇ ◇
家の庭に姿を見せるキジトラ猫 どこかの飼い猫かと思いきや…
AKRさんは「ろん」くん、「まめ」ちゃん、「みたらし」ちゃんという3匹の元野良猫と暮らしています。3匹とのほのぼのとした生活を綴ったAKRさんの絵日記はファンが多く、「黒猫ろんと暮らしたら」(KADOKAWA刊)のタイトルで書籍化。シリーズ最新刊の5巻では、まめちゃんとみたらしちゃんが家族になるまでの話が描かれています。
これまで3匹の野良猫を保護してきたAKRさんが、新たに1匹の猫を保護。そのときの様子を描いた漫画が、大きな反響を呼んでいます。
AKRさんのおうちの庭に、よく姿を見せるようになったキジトラ猫。気づけば毎日、24時間ほぼAKRさんの庭で過ごすようになっていました。窓越しにろんくんと会話をしたり、「開けてくれ!」と言わんばかりに体を窓にこすり付けたりして、おうちに入れてほしいとアピールしていたそうです。
人馴れしている様子から、どこかのおうちで飼われている猫かもしれないと思ったAKRさんは、しばらく様子を見ることにしました。そして数日見守っていると、猫がガリガリに痩せていることに気づきます。庭に来てもずっと同じ場所で休んでいて、体調が悪いのかもしれない……。もし家から脱走した迷子猫ならおうちの人に知らせるべきだと考え、警察と保健所へ連絡することに。
わずかな望みをかけて連絡してみたものの、迷子の届け出は出ておらず、さらに近所の動物病院やSNSなどで迷子情報を探してみても、該当するものは見当たりませんでした。追い打ちをかけるように、外の気温は35度を超える猛暑日が続き、さらに台風まで近づいているという状況。このまま様子を見続けていたら命が危ないと判断し、AKRさんは猫の保護を決意します。
猫をキャリーケースに入れ、そのまま動物病院へ。まだ、どこかの家猫なのではという思いがあったAKRさんですが、病院での診察でさまざまなことが判明。猫は“居候くん”として、しばらくAKRさんのおうちで過ごすことになりました。
保護するに至った経緯を詳しく描いた漫画は注目を集め、5.6万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「素敵なご縁につながりますように 保護ありがとうございます!」「ここは安全なところだよ~ AKRさんありがとうございます!」「かわいいキジトラさん いい人(人間、猫たち)に保護してもらって良かったねぇ」「おうち入れて~って必死さが泣ける 保護してくださってありがとうございます」といった声が寄せられています。
「野良猫を保護したいときの参考に」の声も
その後の“居候くん”の様子や、ほかの3匹たちの反応などについて、AKRさんに詳しいお話を伺いました。
Q. “居候くん”の現在の体重や健康状態は?
「体重は3.4キロ。非常に痩せており、保護から数日は嘔吐や下痢が続きましたが、病院での診察や投薬により徐々に回復しています」
Q. “居候くん”がおうちに来てから、ろんくん、まめちゃん、みたらしちゃんの様子は?
「3匹は、彼が外にいたときから窓越しに顔を合わせていました。家の中に入ってきて以降、ろんは彼が隔離されている部屋に向かってドア越しに愛想良く話しかけ、歓迎している様子です。ただ、まめとみたらしはちょっと警戒というか『何? 誰?』という感じで不思議がっています」
Q. “居候くん”は今後、里親募集などをされる予定ですか?
「引き取り先の第一候補が私の弟で、第二候補が私の父に決まったので、里親募集はしないことにしました。ちなみに第三候補は私です」
Q. “居候くん”はおうちに来てからどのような様子ですか? また、“居候くん”は飼い猫ではなく、野良猫だったのでしょうか?
「家に入った瞬間から、とてもリラックスして過ごしてくれています。うちにいる猫はみんな元野良ですが、全員が家入った瞬間からリラックスしていたので、類は人(友)を……いや、類は猫を呼ぶのかもしれません。
当初は人懐っこさに“飼い猫説”を疑ったのですが、首輪もなく(もし飼い猫だとしたら、痩せ具合から長期失踪していると思われるのに)警察や保健所に届出もなく、去勢もされていない……ということから、野良猫の可能性が濃厚です。飼い猫の可能性はかなり望み薄ではありますが、警察にこちらで拾って保護している旨の届出をしたので、もし一定の期間内に飼い主さんが現れればそちらに帰れることになります」
Q. 心に残った読者の感想や、感想を読んで気がついたことを教えてください。
「保護の流れを簡単に記載したことで、野良猫を保護したいときの参考にしようと言ってくださる方がいらっしゃって、その気持ちはとてもうれしかったです。もし飼い猫がいなくなったら、必ずお住まいの地域の警察や保健所に届出し、できればネット掲示板に書き込んでほしいなと思いますし、逆に飼い猫っぽいと思う猫と出会ったときは各所に確認してあげてほしいなと思います。動画を撮っておくのがおすすめです!」
(Hint-Pot編集部)