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どうぶつ

“飼い主ロス”になる保護猫も 「猫の日」に考える殺処分ゼロのためにできること

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

新しい家族との出会いを待つ保護猫【写真提供:NPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」】
新しい家族との出会いを待つ保護猫【写真提供:NPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」】

 家族として猫をお迎えするにあたり、近年は保護団体からの譲渡を考える人が増えています。保護猫の譲渡率は上昇し、それに伴い殺処分数も減少傾向にあるものの、いまだゼロにはなっていません。また猫の殺処分数は犬と比較して非常に高く、安易にお迎えを決め、飼育を放棄する飼い主が後を絶たないのが現状です。そこで、無責任な飼い主にならないよう、猫を迎える前に考えてほしいことや保護猫の現状について、NPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」(広島県広島市)で理事長を務める佐々木博文さんにお話を伺いました。

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ペットショップを廃業し犬猫の保護シェルターに

「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」では、広島と東京のシェルターにて、一般家庭などでやむを得ず飼えなくなった全国の犬や猫、小動物の引き取り保護をし、里親探し活動を行っています。また、犬猫の殺処分ゼロ、無責任な飼い主ゼロを目指し、TNR活動(野良猫に不妊手術を施し元の場所に戻す)を推進。地域猫活動にも率先して取り組んでいます。

 始まりは今から25年前の1998年。広島県でペットショップを運営していたところ、犬猫の殺処分に関するニュースを目にし、その数に驚きました。それととともに責任の一端を感じ、ペットショップと並行して保護活動と里親探しを開始。その後ペットショップは廃業し、2005年にその場所を保護シェルターに改装しました(現在の広島本部)。

東京支部は保護犬・猫カフェスタイルで運営【写真提供:NPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」】
東京支部は保護犬・猫カフェスタイルで運営【写真提供:NPO法人「みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」】

 その後は広島県内を中心に保護活動をしてきましたが、2011年の東日本大震災時には、福島第一原子力発電所近くに取り残された犬猫の保護活動も行っています。それと同時に、被災が原因で飼い主を失った犬猫の一時保護や里親探し活動も開始しました。

 そして、2018年には東京支部を開設。これは、2016年に東京都が「犬猫の殺処分ゼロ」政策を打ち出し、行き場のない犬や猫が公的機関ではなかなか引き取ってもらえなくなった余波として関東での保護依頼が急増し、模索した結果でした。保護犬・猫を取り巻く現状を多くの人に知っていただくために、東京支部は施設内へ入りやすくなることを意識し、保護犬・猫カフェスタイルで運営しています。