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【海外が見た日本人】日本人からの粋な贈り物に感動 カナダ人記者が受け取った“規格外の優しさ”とは

公開日:  /  更新日:

著者:デヴィン・ハーロウ

SNSでつながった日本人からデヴィンさん宛に届いた贈り物とは【写真:デヴィン・ハーロウ】
SNSでつながった日本人からデヴィンさん宛に届いた贈り物とは【写真:デヴィン・ハーロウ】

 来日した外国人が見た日本の美徳、素晴らしさとは何か――2021年の東京五輪でコンビニエンスストア愛をSNSで発信し、国際的に反響を呼んだカナダ公共放送「CBC」の名物リポーター、デヴィン・ハーロウさん。人生で受け取った最大のサプライズとその思い出を振り返り、日本人の「規格外の優しさ」について称賛しています。カナダ人記者が日本で触れた優しさとは。

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日本のコンビニスタッフの笑顔に感謝

 人生2度目の日本出張からようやくカナダに戻りました。今回の目的は、世界水泳選手権2023福岡大会の取材。カナダとの時差もあり、期間中の平均睡眠時間は4時間足らずの激務でしたが、大会中の会場の盛り上がりと熱気に日々突き動かされ、アリーナに観客がいなかった2年前の東京五輪の静けさを思い出すと、さらに胸が熱くなりました。

 東京五輪では、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置から外国人メディアの行動が制限されていました。早朝、有明のホテルからコンビニエンスストアで食事を調達するのがルーティン。そのときに出合ったラテや大豆クラッカー、枝豆チップスは私のお気に入りです。

 メディアセンターとアリーナで深夜まで業務に没頭して、午前1時にコンビニで再び買い物をしてホテルに戻る。ホテルと会場とコンビニ以外、行く場所はありませんでした。そんな私を、朝でも深夜でもいつも優しい笑顔で出迎えてくれたのは、コンビニのスタッフたちです。

 日本のコンビニのクオリティの高さとサービスの素晴らしさをSNSで投稿したことが意外なまでの反響を呼び、パンデミックのなかでも日本の人々とつながることができました。

20年以上、英語に触れていなかった女性から手紙も

 今年の日本も猛暑ですが、2年前の東京の夏も相当な暑さでした。ビッグサイトに通う日々のなか、SNSでつながった日本人たちからたくさんの励ましの手紙やお菓子をいただくことも。メディアセンターのスタッフから「フォロワーの方に『もうこれ以上受け取れない』と伝えてください」と言われるほど、たくさんの方に激励していただいたことは今でも忘れられません。

 差し入れはありがたいことに、ダンボール数個分になりました。そのなかには、人生でもっとも驚かされたギフトも。それは、小さなエアコン(ミニ冷風機)です。私の地元トロントとはまったく違う、東京の高温多湿な気温で体力が消耗していることを、その方は心配してくれたのです。見ず知らずの私の体調まで気遣ってくれる、日本人の優しさを感じた瞬間でした。

 また、日本人女性からの忘れられない手紙も。その女性は20年以上英語に触れていなかったようですが、私のSNS投稿に刺激を受け、英語で手紙を書き始めたということが綴られていました。そんなきっかけを作れたことは最高の思い出です。

 今回の世界水泳でも、ボランティアの方や観衆の方からたくさんの励ましがありました。お菓子の差し入れもいただくこともあり、改めて日本人の温かさを感じています。

(デヴィン・ハーロウ)

デヴィン・ハーロウ(でびん・はーろう)

カナダ公共放送「CBCニュース」の敏腕リポーター。五輪、パラリンピックのスペシャリストで、東京五輪において日本のコンビニエンスストアの素晴らしさをSNSで継続的に発信し、国内外で話題に。X(ツイッター)アカウント(@Devin_Heroux)のフォロワーは7万1000人以上。