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現地の人ですらよく盗まれる 日本人がやりがちな海外でのNG行動を元添乗員が解説
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海外旅行から距離を置いていたコロナ禍から一転、今年の夏休みは海外旅行に出かける人も増えているでしょう。久しぶりの海外でテンションが上がりますが、日本ならではの心地良いサービスやおもてなしが当たり前すぎて、「海外ってこんな感じだったっけ……?」と思うことも多いのでは。世界約50か国以上を旅した元添乗員で、旅アドバイザー&トラベルライターのAnaさんによる連載をお届けします。今回は、日本と海外における常識や価値観の違いについてです。
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「日本は平和で安全」という大前提
国を問わず、日本であっても大小いろいろな犯罪が毎日のように起きていますし、時には危険な事件の報道を耳にすることもあります。何をもって「平和」というのかは、置かれた状況や経験によってさまざまです。ただ、私たちが日常生活を送ったり、旅行をしたりするうえで、総じて日本はとても安全で平和な国ではないでしょうか。海外に行くたび、「日本はかなり守られているなぁ」と感じます。添乗員時代はお客様に安全に旅を楽しんでもらうため、「日本でとの治安の違い」をしっかり伝えるようにしていました。
財布や携帯が丸見え…スリ対策がゆるい日本人
添乗員の仕事ではヨーロッパ方面に行くことが多く、とくにフランスのパリ、イタリアのローマ、スペインのバルセロナはダントツでスリが多い場所でした。事前にお客様に伝えても、たいていの人は「そんなにいるんですか?」という反応です。日本の感覚では考えられないかもしれませんが、本当に“そんなにいる”のです。
スリは現行犯でないと逮捕できず、多くは複数人グループなのでまず捕まりません。そのためいつまで経っても減らないのです。たいていの場合、地下鉄と美術館で被害に遭うことが多く、観光客だけでなく現地の人ですらよく盗まれています。
リュックを背負う、ファスナーのないカバンを持つ、ズボンのポケットに携帯電話を入れる、カバンを開けて見えるところに財布がある……これらはスリ対策として、すべてNG行動。カフェやレストランでテーブルの上にスマートフォンやカバンを置いて席を取る、パソコンを置いてトイレに行くなどもってのほかです。「自分の視界からはずれる=なくなる」くらい心がまえがちょうど良いと思います。