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夏に取り入れたい5つの薬味 効果に期待できるメリットを栄養士が解説
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
夏に取り入れたい! 代表的な薬味5つ
夏の食事で代表的な薬味は、次の5つです。薬味として用いるので実際に口にするのは少量ですが、食の知恵として、それぞれの栄養成分や効能などを解説していきます。
○長ネギ
薬味の定番と言えるネギ。ツンとした独特の刺激臭と辛味があるアリシンという成分は、硫化アリルの一種で、疲労回復や血行促進、殺菌などが期待されています。そのほか、抗酸化作用が期待でき夏風邪予防に良いとされるビタミンCやβカロテンも豊富。薬味としては脇役的な存在ですが、暑い季節は積極的に食べたい食材です。
○ミョウガ
ミョウガにはアルファピネンという香り成分が含まれ、食欲増進や消化促進、発汗作用、血行促進の効果が期待できます。暑さで食欲が減退しているときや、クーラーなどによる冷えが気になるときにも良いでしょう。薬味のほか、粉末の昆布茶と千切りしたミョウガをたっぷり混ぜたミョウガごはんもおすすめです。
○ワサビ
ワサビの辛味成分であるアリルイソチオシアネートは、殺菌と抗酸化作用があるといわれています。また、体を温める効果も期待される食材です。香り成分としてグリーンノートを含み、さわやかな味わいに。世界的な日本食ブームをきっかけに、海外でも「wasabi」で親しまれています。生ワサビは絶品ですね。
○ショウガ
生のショウガにある独特の辛味は、ジンゲロールという成分。殺菌作用と解熱効果が注目されており、暑い夏にぴったりの食材です。香り成分のシネオールには食欲増進も期待できます。体を温める効果があるのは、熱を加えたショウガです。ジンゲロールがショウガオールという成分に変わります。クーラーや冷たい食べ物で冷えた体を深部から回復したいとき、生のショウガでは効果が期待できません。ショウガ湯やショウガ紅茶として食べると良いでしょう。
○大葉(青ジソ)
大葉の香り成分であるペリルアルデヒドには、抗菌作用や防腐効果、食欲を増進させる効果があるといわれています。刺身のツマとして使われますが、焼き肉をサンチュで包むように刺身を大葉で巻いて食べるのも良いでしょう。解毒効果が期待でき、暑さによる夏バテや食中毒が気になる季節に活用したい食材です。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾