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最大20センチ以上も差が! 地域ごとに異なるたたみのサイズ 「6畳間」の広さも変動

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

世界に誇れる日本の文化、たたみ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
世界に誇れる日本の文化、たたみ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 日本にはさまざまな「地域差」がありますが、不動産の世界にもこの地域差が存在します。今回ご紹介するのは、「たたみ」の違い。地方から上京し、紹介された部屋の間取りと実際の広さにギャップを感じて驚いたという人もいるようです。今回も、東京・中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんに解説いただきました。

 ◇ ◇ ◇

たたみは日本発祥 世界に誇れる偉大な文化

 関西から東京に出て、ひとり暮らしをすることになったある女性は「6畳の1LDKを借りたら、想定よりも狭くてびっくりした」といいます。なぜそのようなことになってしまったのでしょうか。原因は、たたみの種類にあるようです。

 姉帯さんによると、なんとたたみには6つもの種類があり、地域によって主流になっているたたみが異なるそう。その6種類は以下の通りです。

・本間間(ほんけんま):191.0×95.5×5.5センチ、別名「京間(きょうま)」
・六二間(ろくにま):188.0×94.0×5.5センチ、別名「佐賀間(さがま)」
・六一間(ろくいちま):185.0×92.5×5.5センチ、別名「安芸間(あきま)」
・三六間(さぶろくま):182.0×91.0×5.5センチ、別名「中京間(ちゅうきょうま)」
・五八間(ごはちま):176.0×88.0×5.5センチ、別名「江戸間(えどま)」
・五六間(ごろくま):170.0×85.0×5.5センチ、別名「団地間(だんちま)」

 関西地方で使われる本間間がもっとも広く、昭和の頃に続々と建てられた団地では、長さが本間間より20センチ以上もコンパクトな五六間が使われました。

「たたみの大きさは地域によって変わります。同じ6畳でも、本間間(京間)なら11平米ほどの広さがありますが、五八間(江戸間)では9平米と少ししかなく、慣れていない人から見たらかなり狭く感じることでしょう。

 関西から関東へ引っ越しを考えている方で、同じくらいの広さを希望する場合は、これまで住んでいた部屋が6畳間であれば7畳以上、10畳であるならば12畳以上の部屋というように、畳数のより広い部屋を探したほうがいいかもしれません」(姉帯さん)

 ちなみに、一説によると、現在のようなたたみが登場したのは平安時代。貴族の邸宅において「権力の象徴」として置かれるようになり、室町時代になると部屋全体にたたみが敷き詰められるようになりました。元々は本間間が基準とされていましたが、長さ、面積、体積や質量などの単位や基準値といった度量衡制度の変遷によって寸法に誤差が生じ、さまざまな大きさのたたみが生まれたと考察されています。

 たたみは日本人の知恵が生み出した、優れた発明品のひとつ。湿気を吸収・発散するたたみには、ムシムシとした気候の日本で快適に過ごすための知恵と工夫が詰まっているのです。そのうえ防音にもなることから、実はフローリングの床より快適に過ごせる側面もあるといいます。

 たたみの部屋に住み、日本の良さを感じてみるのも乙なものかもしれません。

(和栗 恵)

姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)

「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。