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「妊娠休があれば…」 働く妊婦の悲痛な本音 現行の休暇制度に提言 「有休取れば?」に疑問も

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

働く妊婦にとって休暇取得は悩ましい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
働く妊婦にとって休暇取得は悩ましい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 働く女性にとって、つわりなどで体調不良になりやすい妊娠中は、仕事と休暇の兼ね合いが非常に悩ましい問題です。一般的に産前産後・育児における休業制度がありますが、とくに妊娠中は、人手不足の職場の状況もあって「なかなか休めない」と休暇取得をためらうケースも。さらなる制度・支援の拡充が求められるなかで、ママさんによるメッセージ投稿が話題を集めました。「『妊娠休』がないのって謎じゃない? ほんとに少子化対策する気ある?」とSNSで訴えた、1児の母に真意を伺いました。

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1児の母の切実な投稿 人手不足の職場で「なかなか休めない」ため息 「甘えすぎ」「嫌なら退職しろ」無理解の反応も

「妊娠中に体調が良い日が1日もなかったから思うけど、『妊娠休』がないのって謎じゃない? なんでいきなり産休なの? ひどいつわりや切迫で仕事を休んで迷惑かけるしかないって、結構なストレスじゃない? 男性の育休より先にどうにかするべきじゃない? ほんとに少子化対策する気ある? ってずっと思ってる」

 そんな切実な思いを綴った杏(@apricot_candy_a)さんのX(ツイッター)投稿は、1.4万件の“いいね”を集めています。

 投稿の背景には自身のつらい経験があったそうで、「私自身、妊娠中につわりがひどくて入院したこともあり、予定日が近く似た状態の妊婦さんたちとSNSで励まし合っていました。みんな仕事に穴を開けることや周りの無理解に悩んでいて、『少子化対策とか言いながらこの状況が考慮されないのは変』と思ったことがありました」と話します。

 一般的にいわゆるつわり休暇や産休などが挙げられ、ほかにも独自の休暇制度を導入している企業もあり、妊娠・出産時のサポートの充実化が図られています。一方で、つわりがひどいときに年次有給休暇(有休)を使うことについて、“残しておきたい”とモヤモヤする女性も多いかもしれません。

 今回の投稿のリプライ(返信)には、「体力仕事だし立ち仕事なので、妊娠中しんどいからと休暇もらったら有休消化になるし、辞めたいと思って調べてもただ無職になるだけでなんの保証もなさすぎて、絶望しました」「うちの職場は生理休暇、つわり休暇(正式名称は不明)があるのですが、条件見たら、どっちも7日間までなんですよね。なんで7日で終わる生理と同じ日数なんだか意味不明です」「つわりがひどいのに、『そんなので休むのはありえない。這ってでも仕事した』って上司に言われたときはもう放心状態でした」「切迫流産からの切迫早産、入院ルートだったので退職を選びました。本当に切実に、妊娠休があればうれしいです……!」など、出産を経験した女性たちからのリアルな声が寄せられています。

 杏さんは反響について「『妊娠休があれば本当はもう1人欲しかった。もう仕事に穴を開けられないから、これ以上産めない』『休みすぎて退職するしかなかった。一度退職して子どもがいるとなかなか正社員で再就職ができず、経済的にもう産めない』などの声が解消されれば、少しは少子化対策にもなるのでは? と思います」と語りました。

「『普通にお勤めしている人は無理なのでは…?』と思うことが何度もありました」

 さらに、「『有休取れば?』の反応が多かったのですが、妊娠期間を考えるととても足りないのに何を言ってるんだろう……としか感じませんでした。『迷惑』『甘えすぎ』『嫌なら退職しろ』などの反応があることについては、その結果が産まない選択をする人が増えての少子化につながるんでしょ、と。そう思っています」と強調します。

 また、「『休業すればいいのに』という反応も多かったです。しかし、国による『育児休業給付金』については、想定額より少ないことにショックを受けているほかの方の投稿もあります」といい、査定基準についてもっとママに寄り添った形になることを願っているとのことです。

 より安心して働きやすくするためには、どんなことが必要なのでしょうか。杏さんは「私は立場的には自営業のようなものなのでどうにかなりましたが、『普通にお勤めしている人は無理なのでは……?』と思うことが何度もありました。制度としてはいろいろあっても、『実際には使えなかった』『職場や医者のさじ加減でしかない』という体験談もたくさんありました。『女を雇用するメリットがない』『そんなに妊娠中に優遇されたいなら家から出るな』などの反応もありましたが、見当違いなところに補助金をばらまくのであれば、妊婦や経産婦にきちんと対応している企業に補助をすればいいだけでは? と思います。企業任せにしているから偏りが出たり、進まなかったりする部分もあるのではないでしょうか」とのメッセージを聞かせてくれました。

 働く妊婦のニーズをしっかり汲み取り、社会全体でより実効的な対策を考え、取り組むことが求められています。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)