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【海外が見た日本人】「日本が世界に誇るべき傑作」 英国人記者が感動したひんやりグッズとは

公開日:  /  更新日:

著者:マイケル・チャーチ

英国人記者のマイケル・チャーチさん【写真:Hint-Pot編集部】
英国人記者のマイケル・チャーチさん【写真:Hint-Pot編集部】

 厳しい暑さが世界規模で続いている今年の夏。命を守るための暑さ対策が欠かせませんが、日本には外国人が驚くアイテムが存在します。元PAスポーツ通信アジア支局長で英国人記者のマイケル・チャーチさんは、日本が生み出した暑さ対策の傑作を購入。実際に試してみて、その快適さに感動を覚えたといいます。海外からも注目されている、メイド・イン・ジャパンのひんやりグッズとは。

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香港の工事現場で作業員が着用していた日本の名品

 今、世界はまさに燃えるような暑さです。北半球の気温はこの夏記録的な上昇を続け、NASAは今年7月の地球全体の気温が、1880年に観測が始まって以降、史上最高気温を記録したと発表しました。そして、8月も世界的に異常気象が続いています。

 真夏の屋外での作業は、健康へのリスクが懸念されている状況です。そうしたなか、日本が生み出した暑さ対策のひとつに、私は感銘を受けています。

 先日、私が現在暮らしている香港のあるマンション前で、建築工事が行われていました。現場で働く作業員を見ると、小型ファンを内蔵したジャケット姿で作業しています。

 最近、3か月ぶりに出張でやってきた東京の暑さも相変わらず厳しいものでした。しかし、個人的な感想ですが、香港とは比較になりません。香港のほうが湿度が高いので、不快指数は格段に上回ります。外に出れば服は汗ですぐにびしょびしょに。そんな香港のうだるような暑さの中、職人たちがメイド・イン・ジャパンの作業服を着て、快適そうにキビキビと動いていたのが印象的でした。

日本出張で実際に購入 快適さに感動

一見、暑くて重そうなファン付き作業服に驚いたマイケルさん(写真はイメージ)【写真:写真AC】
一見、暑くて重そうなファン付き作業服に驚いたマイケルさん(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 私がファン付き作業服を初めて見たのは、2019年の夏です。暑い日差しの中、神宮球場近くのオリンピック組織委員会本部に向かう途中で、すれ違った職人さんが着用していました。

 気温は34度。熱を溜め込みやすいコンクリートとアスファルトに囲まれた都心で、ひと目見たときはとにかく驚きでした。上着の背後に2つの扇風機が付いている。重くはないのか? バッテリーの加熱で、逆に暑さと不快感を増幅させてしまうのでは、と懸念しました。

 すぐさまスマートフォンで検索すると、すぐに答えがわかりました。これが蒸し暑さに対応するために、日本が生み出した最新鋭の傑作であることを知ったのです。

 香港で見た作業員の軽快な姿を改めて思い出して、今回の日本出張でファン付きのジャケットを実際に購入してみました。着てみると本当に涼しい。体感温度が7度程度下がると説明があり、実感できる快適さです。

 また、充電バッテリーを含めて、軽さも相当なもの。静かな室内でもファンの音はまったく気になりません。真夏に屋外イベントを取材する際など、活用することになりそうです。海外の建築現場でも大活躍しているファン付き作業服。こちらも日本が世界に誇るべき傑作だと思います。

(マイケル・チャーチ)

マイケル・チャーチ(まいける・ちゃーち)

キャリア30年を誇る英国人ジャーナリスト。英PAスポーツ通信のアジア支局長などを歴任し、サッカーのワールドカップ7大会連続取材。コラムニストとしても各国で活躍中。