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仕事・人生

なぜ「IKIGAI」は海外でベストセラーに スペイン人著者が分析する生きがいの価値

公開日:  /  更新日:

著者:高村凛太郎、佐藤紅

69か国で計500万部超え インドや米国でミリオンセラーに

「IKIGAI」著者のエクトル・ガルシア氏【写真:徳原隆元】
「IKIGAI」著者のエクトル・ガルシア氏【写真:徳原隆元】

――「IKIGAI」はいくつくらいの地域で出版されているのですか?

「『IKIGAI』は69か国で出版されています。最初はスペインで出版されて、一番売れているのはインド。なぜかはわからないですが、現時点で世界で計500万部を超えています。インドは昨年まで3年連続でナンバー1になり、今は250万部くらい売れています。世界1位の人口になったインドで一時、一番売れていた本なんです。あとは、米国でも100万部を超えています。次いでトルコ、オランダ、今はマレーシアでもけっこう売れていますね」

――複数の国で出版することになった経緯を教えてください。

「フランクフルト(ドイツ)で1年に1回、エージェントと出版社の幹部や関係者が集まるイベントがあるんですけど、最初のスペインで注目されたことで、ほかの国でも出版する話が進みました。2か月の間に40くらいの契約書にサインをして、もしかしたらヒットするかもしれないなと思いました。コロナ禍になる前にインドの発表会を訪れたとき、書店ではこの本がナンバー1になっていて、店員さんにサインを求められたりして。そのときに、すごいことが起きてるって実感しましたね」

幼い頃から日本の製品に囲まれて育ったというガルシア氏【写真:徳原隆元】
幼い頃から日本の製品に囲まれて育ったというガルシア氏【写真:徳原隆元】

――「IKIGAI」は自身3冊目の本ということですが、ミリオンセラーになりましたね。

「フランセスクは多くの本を出しているけど、僕と一緒に組んだ本が人生で一番売れてびっくりしています。でも、なぜこれほど読まれているのか、僕自身も答えはまだわからない。この本は人によってとらえ方が全然違うんです。でも悪い意味でとらえる人はあまりいない。多くの人にいいとらえ方をしてもらっています。

 アーリーリタイアメント(早期退職)も流行っていて、そういうジャンルの本と、この『IKIGAI』を比べる人もいる。読者から『リタイアはダメですと言ってるんですよね?』と聞かれることもあるけど、そうじゃない。頑張りすぎるのも良くないし、日本には過労死という言葉もあります。リタイアしてもいいけど、その後に何をするか。いい意味の忙しさがあって、自分の好きなことで忙しくすることが大事だと思っています」