インタビュー

元“歴ドル”は年商3000億円を目指す会社社長 芸能界を引退した驚きの理由とは

著者:中野 裕子

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元“歴史アイドル”小日向えりさん【写真:山口比佐夫】
元“歴史アイドル”小日向えりさん【写真:山口比佐夫】

 華やかな芸能界で活躍したアイドルたちが、まだ20代や30代のうちに潔く引退していく例が相次いでいる。一体、何があったのか。そして引退後、彼女たちはどんな人生を歩んでいるのか。人それぞれではあるだろうが、気になるところだ。元“歴史アイドル(歴ドル)”で現在33歳の小日向えりさんも昨年、芸能界をスパッと引退した1人。現在は会社経営にまい進しているが、小日向さんに改めて引退の理由や今の気持ち、そしてビジネスへの思いについて聞いてみた。

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目立つことがあまり好きではなかったアイドル時代

 私は芸能活動と並行して2017年に「ぴんぴんころり」という会社を立ち上げ、今は19年春にスタートさせたシニア就業支援サービス「東京かあさん」の運営に力を注いでいます。事業に集中したい、というのが芸能界を引退した一番の理由でした。

 芸能活動をしている時は平日に会社のお仕事をして、なるべく土日に芸能のお仕事を入れていただくことで両立していました。だから、起業家の側面は表に出していませんでしたが、私の中には芸能人と起業家という2つの人生があって、2人分のお仕事を1人でしているようなものでした。休みは取れませんがどちらも責任がありますから「しっかりやらなければいけない」といっぱいいっぱいで、プレッシャーが大きくなっていました。

 芸能のお仕事をやめて約1年になりますが、今は張り詰めた糸がほぐれ、マイペースかつ落ち着いて穏やかな日々を過ごせています。睡眠がしっかり取れて、お仕事以外の趣味を見つけたいなあと思って読書や書道をし、これからはiPadで水彩画を描きたいなあと思っているところです。

 芸能のお仕事は引退する直前までたくさんさせていただき、楽しくてやりがいもあったんです。15歳の時にモデルを志望して芸能界に入りましたが、歴史好きが高じて自分では思ってもいなかった“歴ドル”として皆さんに認知していただきました。

 うれしくはあったのですが、実はあまり目立つのが好きじゃなくて、“歴ドル”としてテレビに出るのはとても緊張しましたし、何より私には「有名になりたい」という気持ちがありませんでした。モデルはお洋服を引き立てるお仕事で、自分のタレント性を出す仕事じゃないと思っていたんです。芸能人として活動を続けていくには、私には「有名になりたい」という気持ちが足りなかったように思います。

「寂しいな」と言ってくれたファンの皆さんや、「籍を置いておいて休業にすれば」と温かい言葉をくれた事務所、私の姿をテレビで観るのを楽しみにして「少しだけでも出続けてほしい」と惜しんでくれた両親や祖母には申し訳なかったんですけど、時間は誰でも平等に1日24時間しかありません。

 貴重な時間をできるだけ自分が一番やりたいこと――「今のビジネスのために使いたい」という気持ちを抑え切れなくなり、引退を決意しました。“歴ドル”として10年間活動したので、やり切った感もありましたね。