仕事・人生
日本よりイタリアで有名な日本人女性 人気YouTuberになったわけ
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“イタリアで有名な日本人”といえば、現地の名門クラブチームに所属しながら活躍した元サッカー選手の中田英寿さんや長友佑都さんを浮かべる人は多いでしょう。しかしここ数年、イタリア人の口から名前が挙がる日本人女性がいます。それは、現在イタリアに住み、歌手、日本語学校講師、動画クリエイター、YouTuberとして活躍する川崎絵里子さんです。日本よりもイタリアでの知名度が高い川崎さんが、今に至るまでのきっかけとはなんだったのでしょうか。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。今回は、多芸多才な活躍でイタリアを拠点に活動中の川崎さんに、これまでのキャリアについて伺いました。(※「崎」はたつざき)
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高校時代の短期留学が人生の転機に イタリアに魅了されて
イタリア在住歴10年以上になる川崎絵里子さんは、日本語講師として働く傍ら、2つのYouTubeチャンネルを毎週更新する人気YouTuberでもあります。ひとつ目は、2019年にイタリア人向けに開設した「ERIKOTTERO」で、現在のチャンネル登録数は約21万人(2023年6月19日現在)の人気チャンネルです。ふたつ目はその後に開設した「ERIKO ERITALY」で、日本人向けにイタリアの情報を発信しています。
長崎県長崎市出身の川崎さんは、2008年にイタリアへ移住。そのきっかけとなったのは、高校時代に本格的に始めた声楽でした。
「子どもの頃からピアノを習っていたので、クラッシック音楽を聴いていました。私の高校には音楽コースがあり、そこでピアノとともに声楽にも一生懸命取り組むようになったんです」
努力の甲斐あり、高校3年生のときに出場した「昭和音楽大学 第3回『高校生のための歌曲コンクール』」声楽部門で最優秀賞に輝きます。その副賞として、イタリアに2週間の短期留学をするチャンスを得た川崎さんは、現地の街並みや文化、食べ物、フレンドリーなイタリア人の人柄などに魅了されました。
川崎さんは高校卒業後、日本の国立大学で声楽を専攻。その間も、数々の音楽コンクールへの出場や入賞という実績を残し、才能を開花させていったといいます。
「高校生のときに短期留学したイタリアが忘れられず、大学4年生のときに留学のための奨学金をもらい、イタリアの音楽大学に進むことを決めました。ただ、どこの音大にでも進めるというわけではなく、受験できるのはパドヴァ音楽院だけでした」