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魚卵は太りやすい? 筋子、数の子、タラコの栄養価を比べてみた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

オメガ3脂肪酸のDHAやEPA、プリン体の含有量は?

数の子の握り(写真はイメージ)【写真:写真AC】
数の子の握り(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 筋子はエネルギー源であるたんぱく質、脂質がほかの魚卵よりも多いため、コレステロールもエネルギーも高くなります。しかし、魚卵に多く含まれる脂質は不飽和脂肪酸で、青魚で有名なオメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)。とくにDHAは脳の活性化、EPAは血液サラサラ効果、血栓予防が期待できるものです。DHAとEPAの含有量を比較すると、この3つのなかでは筋子に多く含まれることがわかります。

○DHA
筋子:2400ミリグラム
数の子:870ミリグラム
タラコ:600ミリグラム

○EPA
筋子:2100ミリグラム
数の子:410ミリグラム
タラコ:510ミリグラム

 魚卵というと、痛風に“NG”とされるプリン体を非常に多く含むイメージがあります。しかし、実際は種類によって含有量に差があり、魚卵だからといって、プリン体をたくさん含んでいるとは一概には言えません。

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」では、食品のプリン体の含有量を「極めて多い(300ミリグラム~)」「多い(200~300ミリグラム)」「中程度(100~200ミリグラム)」「少ない(50~100ミリグラム)」「極めて少ない(~50ミリグラム)」の5つに分類。筋子、数の子は「極めて少ない」に、タラコは「中程度」に分類されています。3つのなかでプリン体含有量がもっとも少ないのは筋子で、次いで少ないのが数の子、もっとも多いのがタラコです。

 以上のように、たんぱく質と脂質を主成分に持つ魚卵は低糖質です。魚卵の種類にもよりますが、たくさん食べるものではないため、エネルギーも比較的少なくて済みます。太りやすい食品のイメージがありますが、必ずしもそうとは言い切れません。ただし、塩やしょうゆ漬けのものが多いため、むしろ塩分のとりすぎには注意が必要です。

 なお、ごはん茶碗1杯(150グラム)は234キロカロリー。ごはんのおともにする場合は、魚卵単体より一緒に食べるごはんのカロリーなどを参考に食べるようにしましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾