ライフスタイル
「今日は何を着るべき?」 涼しくなると悩む服装選び 天気の専門家が着目する数値とは
公開日: / 更新日:
残暑は厳しいものの、朝晩の涼しさに秋の訪れを感じることも。気温の変化が大きい季節の変わり目は、「上着が必要かな?」「長袖はいつから?」など、「今日は何を着るべきか?」に悩まされる時期でもあります。天候と服装選びの関係について、ウェザーニュースで「服装予報」を担当する畠山清佳さんにお話を伺いました。
◇ ◇ ◇
気温だけでなく湿度や風向きなども 考えるべきは「体感温度」
――9月は「まだまだ暑いと思っていると、気づいたら肌寒さが……」という時期かと思います。変化が起きやすい、9月ならではの天候の特徴や目安などはあるのでしょうか?
「9月は主に秋雨前線と台風が、体感温度を左右する天気をもたらします。秋雨前線が通過したあとでは、一気に空気が入れ替わることから、前日とは違う体感になったり、台風が接近すると夏のような蒸し暑さになったり。ただ、台風が接近するケースでも、進路によってはひんやりした北東風となり、反対に肌寒くなるケースもあります。
『前線が通過する』『台風が接近する』などの情報を天気予報で耳にしたら、気温と合わせて体感温度の変化にも注意が必要です」
――テレビ番組の天気予報では、季節の変わり目などに「服装の目安」を紹介しています。どなたが何を判断材料にして、こうした目安を決めているのでしょうか?
「30度以上なら半袖、25度以上は半袖シャツ、25度未満は長袖シャツ、20度未満はカーディガン……といった、気温を元にした一般的な目安があります。そうした目安から作成した表を元に判断するほか、気象担当が実際の前日との気温差や気象要素――風が強いか弱いか、北風か南風かなどで体感温度を想定して、総合的な判断をしているケースが多いですね。
ちなみにウェザーニュースでは、私が担当する『服装予報』を掲載しています。今日明日から10日間先まで、全国各地の朝晩と昼間それぞれに最適な服装を提案。気温だけでなく、晴れや曇り、雨などの天気、風の強さなども加味した、独自の服装指数を算出しているので、ぜひチェックしてみてください。毎日の服装選びにはもちろん、10日間先まで確認できるので、旅行や出張準備にも役立ちますよ」
――10日先まで、服装を準備できるのは便利ですね。ただ、天気予報を観ながら、自分で服装を決めたいこともあります。気温以外に、判断基準にすると良い数値はありますか?
「総合的に考えると、風の強さと向き、日差しの有無、湿度が大きく体感に変化をもたらします。風は強いのか、湿度は高いのか、日差しはあるのか……。湿度が高いと気温が低くても暑く感じますし、日差しがないと、同じ気温でも羽織るもの1枚分肌寒く感じることがあります。たとえば、湿度80%以上だと気温より暑く感じやすくなるので、湿度もチェックすべき基準のひとつですね。
とくに、空気が乾燥してくる9月になると、日差しや冷たい風の有無で、服装が大きく変わってくるので注意が必要です。気温だけではなく湿度や風向きといった、さまざまな要素も確認してみてください」
――しっかり衣替えをするには、まだ早いタイミングです。「この時期までに、これくらいのアイテムを出しておくと安心」という目安があれば教えてください。
「『暑さ寒さも彼岸まで』と昔から言われていますが、毎年、“本当にその通りだな……”と感じています。どんなに猛暑が厳しい夏でも、9月も下旬になってくると、昼間は暑くても朝晩は少しひんやりする日も出てきます。秋分の日の頃には、長袖のシャツやカーディガンなど、秋物を用意し始めても良いかもしれませんね」
季節の変わり目は気候の変化に体が慣れないうえ、服装選びに失敗すると、さらに体調を崩しやすくなるリスクも。きちんと情報を確認して快適な服装を選び、過ごしやすい季節をしっかり楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)