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“きのこたけのこ戦争” 外国人はどちらを選ぶ? 日本の定番お菓子を食べ比べしてみた

公開日:  /  更新日:

著者:荒木 優里

子ども向けおやつの定番「ビスコ」と「ボーロ」はどう感じる?

小さな子ども向けの「ボーロ」に不思議そうな表情を見せるリアとマティアス【写真:荒木優里】
小さな子ども向けの「ボーロ」に不思議そうな表情を見せるリアとマティアス【写真:荒木優里】

 続いては、クリームサンドビスケットの「ビスコ」。乳酸菌や食物繊維、カルシウムなどの栄養が豊富なことから、日本では子どものおやつとしても人気です。個包装の袋を開けてビスコをひとつ手渡すと、「小さすぎる!」とふたりはとても驚いた様子。私にとっては、小さい頃から慣れ親しんでいるお菓子なので疑問に思うことはありませんでしたが、ふたりにとってはイメージしていた半分以下のサイズ感だったそうです。

 小ささにびっくりしつつも試食してもらうと、これまたふたりの印象は同じで「どこかで食べたことがあるような味だ!」とのこと。「レモン味。そのひと言に尽きるね!」というリアと、「このレモンのフレーバーは好きだけど、知っている味で特別な感じはしないかな」とマティアス。

 原材料にレモンの表記はなく、私自身もこれまでにレモン味だと感じたことはないのですが、どうやらクリームに入っている乳酸菌のさわやかな風味がレモン味だととらえられたようです。

 サイズ、味わいともにちょっと意外な反応だったので、お互いにびっくり。そのためリア、マティアスともに5点というスコアでした。

 次のお菓子は「ボーロ」。これまでの流れで少し予想していましたが、「冗談でしょ! これは小さすぎる!!」とびっくりしている様子です。実際に食べてみると、なんともいえない表情を浮かべます。

 リアは「この味は好きではないな」、マティアスも「同感だね。ドライすぎるかな」とポツリ。どんなときに食べるものなのか尋ねられ、6か月の赤ちゃんから食べられるお菓子(※パッケージ記載)だと伝えると、「なるほど! ほかに選択肢がたくさんある大人は選ばないかもしれないけど、小さい子どもにはいいだろうね!」とおおいに納得の様子。

 甘すぎず、優しい口どけの味わいは、大人になって初めて出会った外国人にとって不思議な味だったようです。そのため、リアは1点、マティアスは3点という厳しい結果になりました。

日本でも議論の的 「きのこの山」vs「たけのこの里」の判定は?

 最後は、「きのこの山」と「たけのこの里」。日本ではこのふたつのどちらが好きかという話題で盛り上がり、何度も人気投票が行われていることを伝えると「食べ比べるのが楽しみになった!」とワクワクなふたり。

 まずは、クラッカー×チョコレートの「きのこの山」。パッケージを見て「韓国にも似たパッケージ、ほぼ同じ形をしたお菓子(チョコソンイ)があるよ!」とリア。そのお菓子も好きだと話しながら「これはチョコレートがおいしいね! カカオの風味がしっかりして好きな味だよ!」と笑顔で食べ進めていました。一方のマティアスも「形がユニークで、おいしいね! 米国のチョコレートには好みじゃない味もあるけど、これはいい!」と、ふたりとも気に入ったようです。

 一方、クッキー×チョコレートの「たけのこの山」。たけのこの形がイメージしづらいようでしたが「松の木のような形だね! クリスマスツリーみたいでかわいい!」と、こちらも見た目は高評価。モグモグと味わうと、「おいしいけど、少しチョコが多くて甘いかな! 食べるときに手にチョコが付くのも少し気になる」とリア。「チョコは『きのこの山』よりも砂糖が多くて甘いように感じるね」と、マティアスも似たような感想に。

 どちらが好きかをジャッジしてもらうと、ふたりとも迷わず「きのこの山」を選びました! クラッカーやクッキー部分とチョコレートのバランス、チョコレートの甘みが決め手になったようです。

 日本で定期的に行われている人気投票の結果では「たけのこの里」のほうが勝った回数が多いことを伝えると、「信じられない! 日本人は甘いお菓子が好きなのかな? ほかの国で投票を行ったら、きっと『きのこの山』が勝つと思うよ!」と驚いていました。

 食べ比べでは断然「きのこの山」派のふたりでしたが、どちらも気に入ってくれたようで、リアとマティアスともに「きのこの山」が8点、「たけのこの里」が7点というハイスコアに。

 すべての試食を終え、これまでの点数を確認すると……ベストスナックはふたりとも「きのこの山」になりました!

 今回は「日本のお菓子はどれも小さいよね!」というコメントが頻発したことがとても興味深かったです。それでも、「どれもかわいいサイズで美しくて、パッケージなど細かいところまで気が配られているね!」と言われ、私たちがなにげなく食べていたものにも、実は日本らしさが詰まっていたのだと改めて気づかされました。

 次回はどんなお菓子が登場するでしょうか。どうぞお楽しみに!

(荒木 優里)

荒木 優里(あらき・ゆり)

米ニューヨーク州在住のフリーアナウンサー。慶應義塾大学を卒業後、KSB瀬戸内海放送、テレビ埼玉で局アナとして勤務し、報道番組のキャスターや情報番組の中継リポーターなどを担当。2022年夏に渡米し、現在は初めて体験する海外生活での奮闘ぶりを日々発信中。