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日本人が狙われやすいスリ 被害やターゲットになるのを防ぐ元添乗員の「有効なスリ対策」5選

公開日:  /  更新日:

著者:Ana

世界50か国旅して行き着いたスリ対策5つ

1. すべての服のポケットの中は空にする
 コートやジャケット、シャツ、ズボン、スカートのポケットはもちろん、隠れている内ポケットなどもすべてです。入れたものはなくなると思ってください。

2. カバンを開けたとき、財布が見えないようにしておく
 これは一番大事です。ファスナーなしのカバンは論外ですが、たとえ閉めていてもスリは開けて手を突っ込んできます。その間、わずか数秒。そのとき財布に手が届いたら、簡単に持っていかれるでしょう。財布はバッグインバッグやポーチなどに入れたうえで持ち、カバンの底に入れて、ほかのものをどかさないと出せないようにするのがおすすめです。

3. パスポートや貴重品は、腹巻き型のセキュリティポーチが◎
 究極は、貴重品を自分の体から離さないことです。添乗員時代、パスポートや会社から預かってきた現金は、どんなに暑くても腹巻き型のポーチで管理するのが当然で暗黙のルールでした。お腹に巻く、首から下げて服の中に入れるなどして、自分と一体化させておくと安心です。

4. カバンのファスナーには常に手をかける
 カバンのファスナーの部分に、手を乗せる・かけておくのは、自然にやってしまうほど癖になっています。「もし言われていなかったら、絶対に盗られていました!」と、ファスナー部分を押さえていたことで未遂で済んだというお客様からの報告を、当時は山ほどもらっていました。なにげないことですが、こうしたちょっとした様子が「注意深い人」という印象を与えるため、狙われにくくなります。また、南京錠やダイヤル式のカギをキーホルダー感覚で付けておくのもいい対策です。

南京錠やカギ類は、ダミーであっても効果的(写真はイメージ)【写真:写真AC】
南京錠やカギ類は、ダミーであっても効果的(写真はイメージ)【写真:写真AC】

5. ふたつの行動を同時にしない
 これはとくに地下鉄や美術館などで多いですが、スマートフォンや地図を見ながら歩く、歩きながらカバンの中のものを探すなど、「○○しながら~」は注意力が落ちがちです。できるだけ、やることはひとつずつ、ゆっくり行動するようにしてください。

実は危険! ウエストポーチやポシェット、ボディバッグなどの便利なカバン

 旅行の際は、ウエストポーチやポシェット、ボディバッグなど小さめのバッグに貴重品を入れて観光する人も多いかと思います。ただ、これはスリ対策の視点から見るともっとも危険。なぜなら、ひとめでそこに貴重品があるとわかるからです。紐やチェーンがつながっていても、簡単に切られます。

 実は、少し大きめのトートバッグやショルダーバッグなどのほうが安全。中をしっかり探さないと、目当ての物が見つからないからです。

大きめのファスナー付きトートバッグやショルダーバッグが安心(写真はイメージ)【写真:写真AC】
大きめのファスナー付きトートバッグやショルダーバッグが安心(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「ここまでやる必要がある?」、逆に「こんなに単純な対策?」という意見もあるかもしれませんが、それすらしていないことが多いのです。お客様でスリ被害にあった方のほとんどが、「まさか自分が……」とおっしゃっていました。相手はプロ。素人が考えつかないようなテクニックで、貴重品を奪っていきます。そのため、どんなに策を講じても完璧に防ぐのは難しいのですが、最低限これらの対策をしておけば、被害に遭う確率はぐっと低くなると思います。

 せっかくの海外旅行の思い出が「スリに遭った」という事件で台無しにされないように、ぜひ実践してみてください。

(Ana)

Ana(アナ)

旅アドバイザー&トラベルライター。学生時代から海外旅行に魅了され、これまで世界約50か国をめぐってきた大の旅好きで、海外添乗員として活動していた経験もある。行った旅の数と比例して、経験してきたトラブルや事件は数知れず。コロナ禍を経て、再び海外へ飛びながら旅に役立つ情報、異文化を楽しむ知恵などを日々発信中。